公開日: 2022/12/22 (掲載号:No.500)
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フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第61回】「賃貸等不動産関係注記」

筆者: 西田 友洋

【STEP1】注記対象の確認

「賃貸等不動産」とは、棚卸資産に分類されている不動産(販売用不動産、開発事業等支出金)以外のもので、賃貸収益又はキャピタル・ゲインの獲得を目的として保有されている不動産をいう(企業会計基準第20号「賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準(以下、「賃貸等不動産開示基準」という)4(2))。言い換えると、自社で使用している不動産は対象外である。

具体的には、以下の不動産が該当する(賃貸等不動産開示基準5、企業会計基準適用指針第23号「賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準の適用指針(以下、「賃貸等不動産開示指針」という)4)。

  • BSの投資その他の資産に投資不動産として計上されている不動産
  • 遊休不動産
  • 上記以外でBSの有形固定資産及び無形固定資産に計上されている不動産のうち、賃貸しているもの(建物、建物附属設備、構築物、土地、建設仮勘定、借地権)

なお、ファイナンス・リース取引の不動産は、貸手においては、売買処理として処理され、金銭債権等として計上されるため、賃貸等不動産には該当しない。一方、借手においては、固定資産に計上されるため、賃貸している場合、賃貸等不動産に含まれる。

上記に該当する賃貸等不動産は、注記する必要があるため、賃貸等不動産(連結財務諸表作成会社の場合、子会社を含めて)を網羅的に集計する必要がある。連結財務諸表作成会社の場合、連結ベースで注記するため、連結子会社間で賃貸借している不動産は、自社グループ内で利用している不動産であり、賃貸等不動産に含まれない。

【開発中の不動産、一時的に借手がいない不動産】

賃貸等不動産には、将来、賃貸等不動産として使用予定で開発中の不動産や継続して賃貸等不動産として使用される予定で再開発中の不動産も含まれる。また、賃貸を目的として保有しているが、一時的に借手が存在していない不動産も、賃貸等不動産として取り扱う(賃貸等不動産開示基準6)。

フロー・チャートを使って学ぶ会計実務

【第61回】

「賃貸等不動産関係注記」

 

史彩監査法人 パートナー
公認会計士 西田 友洋

 

【はじめに】

今回は、賃貸等不動産関係注記について解説する。

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連載目次

フロー・チャートを使って学ぶ会計実務

第1回~第30回

筆者紹介

西田 友洋

(にしだ・ともひろ)

史彩監査法人 パートナー
公認会計士

2007年10月に準大手監査法人に入所。2019年8月にRSM清和監査法人に入所。2022年2月に史彩監査法人に入所。
主に法定監査、上場準備会社向けの監査を中心に様々な業種の会計監査業務に従事する。また、会社買収に当たっての財務デューデリジェンス、IPOを目指す会社への内部統制コンサル及び短期調査、収益認識コンサル実績もある。
他に、決算留意事項セミナーや収益認識セミナー等の講師実績もある。

【日本公認会計士協会委員】
監査・保証基準委員会 委員(現任)
監査・保証基準委員会 起草委員会 起草委員(現任)
中小事務所等施策調査会 「監査専門委員会」専門委員(現任)
品質管理基準委員会 起草委員会 起草委員
中小事務所等施策調査会 「SME・SMP対応専門委員会」専門委員
監査基準委員会「監査基準委員会作業部会」部会員

【書籍】
「図解と設例で学ぶ これならわかる連結会計」(共著/日本実業出版社)等

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