公開日: 2019/10/31 (掲載号:No.342)
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フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第43回】「単独株式移転」

筆者: 西田 友洋

【STEP2】連結財務諸表における会計処理

株式移転完全子会社に対する投資と資本を相殺消去する。また、株式移転設立完全親会社の株主資本の額は、株式移転直前の連結財務諸表の株主資本とするため、株式移転完全子会社の利益剰余金について、【STEP1】で計上した資本剰余金から振り替える(指針259、240)。

《設例》

X社は単独で株式移転を行い、当期末に純粋持株会社P社を設立した。
株式移転計画では、資本金5,000とし、残りはその他資本剰余金とすると定められている。

X社の株式移転日前日の貸借対照表は以下のとおりである。

〈会計処理〉

1 株式移転設立完全親会社P社の会計処理

(※1) 株式移転計画に基づく

(※2) (資本金5,000+その他資本剰余金5,000+その他利益剰余金10,000)-資本金5,000=15,000

(※3) (※1)(※2)

2 連結財務諸表における会計処理

(1) 投資と資本の相殺消去

(※4) X社の帳簿価額

(2) 株主資本項目の調整

(※5) X社のその他利益剰余金を引き継ぐため、その他資本剰余金から振り替える。

フロー・チャートを使って学ぶ会計実務

【第43回】

「単独株式移転」

 

RSM清和監査法人
公認会計士 西田 友洋

 

【はじめに】

今回は、単独株式移転について解説する。「単独株式移転」とは、1つの株式会社がその発行済株式の全部を新たに設立する株式会社に取得させることをいう。例えば、親会社を純粋持株会社にする場合に用いる組織再編である。

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連載目次

フロー・チャートを使って学ぶ会計実務

第1回~第30回

筆者紹介

西田 友洋

(にしだ・ともひろ)

史彩監査法人 パートナー
公認会計士

2007年10月に準大手監査法人に入所。2019年8月にRSM清和監査法人に入所。2022年2月に史彩監査法人に入所。
主に法定監査、上場準備会社向けの監査を中心に様々な業種の会計監査業務に従事する。また、会社買収に当たっての財務デューデリジェンス、IPOを目指す会社への内部統制コンサル及び短期調査、収益認識コンサル実績もある。
他に、決算留意事項セミナーや収益認識セミナー等の講師実績もある。

【日本公認会計士協会委員】
監査・保証基準委員会 委員(現任)
監査・保証基準委員会 起草委員会 起草委員(現任)
中小事務所等施策調査会 「監査専門委員会」専門委員(現任)
品質管理基準委員会 起草委員会 起草委員
中小事務所等施策調査会 「SME・SMP対応専門委員会」専門委員
監査基準委員会「監査基準委員会作業部会」部会員

【書籍】
「図解と設例で学ぶ これならわかる連結会計」(共著/日本実業出版社)等

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