谷口教授と学ぶ
税法の基礎理論
【第3回】
「租税法律主義の厳格さ」
-「自律的」厳格さと「他律的」厳格さ-
大阪大学大学院高等司法研究科教授
谷口 勢津夫
Ⅰ はじめに
前回は、租税法律主義について、これと並んで税法の基本原則とされる租税平等主義との関係を検討したが、今回は、同じく法律による行政を要請する法治主義との関係について検討することにしよう。
租税法律主義が法治主義の一場面、すなわち、租税の賦課・徴収の場面における法治主義の現れであることに、異論はなかろうが(【11】【12】=拙著『税法基本講義〔第6版〕』(弘文堂・2018年)の欄外番号。以下同じ)、租税法律主義は、一般に、他の行政分野にはみられない独特の厳格な法治主義として、理解されている。租税法律主義の厳格さは、どのような考慮に基づくのであろうか。これが今回の検討課題である。
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