公開日: 2019/02/21 (掲載号:No.307)
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谷口教授と学ぶ「税法の基礎理論」 【第7回】「租税法律主義と実質主義との相克」-税法の目的論的解釈の過形成①-

筆者: 谷口 勢津夫

谷口教授と学ぶ

税法基礎理論

【第7回】

「租税法律主義と実質主義との相克」

-税法の目的論的解釈の過形成①-

 

大阪大学大学院高等司法研究科教授
谷口 勢津夫

 

Ⅰ はじめに

今回から何回かにわたって、前回と同じ主題(「租税法律主義と実質主義との相克」)の下で、税法の解釈適用の「過形成」について、裁判例を素材にして検討していくことを、前回の最後()で予告しておいたが、今回は、税法の目的論的解釈の「過形成」として、課税減免制度濫用の法理【47】=拙著『税法基本講義〔第6版〕』(弘文堂・2018年)の欄外番号。以下同じ)を取り上げることにする。

課税減免制度濫用の法理については、既に第2回Ⅲ2で簡単に前触れしたところであるが、外国税額控除規定(法税69条)を利用した租税回避事案(外国税額控除余裕枠利用事件のうちりそな銀行事件)において同規定の適用を否認した最判平成17年12月19日民集59巻10号2964頁を検討していく中で、同判決の基礎にある考え方をそのように呼ぶようになったのである(拙著『租税回避論』(清文社・2014年)第2章第1節[初出・2007年]も参照)。この判決は次のとおり判示している(下線筆者。最判平成18年2月23日訟月53巻8号2461頁も参照)。

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税法基礎理論

【第7回】

「租税法律主義と実質主義との相克」

-税法の目的論的解釈の過形成①-

 

大阪大学大学院高等司法研究科教授
谷口 勢津夫

 

Ⅰ はじめに

今回から何回かにわたって、前回と同じ主題(「租税法律主義と実質主義との相克」)の下で、税法の解釈適用の「過形成」について、裁判例を素材にして検討していくことを、前回の最後()で予告しておいたが、今回は、税法の目的論的解釈の「過形成」として、課税減免制度濫用の法理【47】=拙著『税法基本講義〔第6版〕』(弘文堂・2018年)の欄外番号。以下同じ)を取り上げることにする。

課税減免制度濫用の法理については、既に第2回Ⅲ2で簡単に前触れしたところであるが、外国税額控除規定(法税69条)を利用した租税回避事案(外国税額控除余裕枠利用事件のうちりそな銀行事件)において同規定の適用を否認した最判平成17年12月19日民集59巻10号2964頁を検討していく中で、同判決の基礎にある考え方をそのように呼ぶようになったのである(拙著『租税回避論』(清文社・2014年)第2章第1節[初出・2007年]も参照)。この判決は次のとおり判示している(下線筆者。最判平成18年2月23日訟月53巻8号2461頁も参照)。

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連載目次

谷口教授と学ぶ「税法の基礎理論」

筆者紹介

谷口 勢津夫

(たにぐち・せつお)

大阪学院大学法学部教授

1956年高知県生まれ。京都大学法学部卒業、同大学大学院法学研究科博士後期課程単位修得退学。甲南大学法学部教授、大阪大学大学院高等司法研究科教授を経て2022年4月より現職。大阪大学名誉教授。ほかに大阪大学大学院高等司法研究科長・大阪大学法務室長、アレクサンダー・フォン・フンボルト財団奨励研究員(Forschungsstipendiat der Alexander von Humboldt-Stiftung)・ミュンヘン大学客員研究員、日本税法学会理事長、租税法学会理事、IFA(International Fiscal Association)日本支部理事、資産評価政策学会理事、司法試験考査委員、公認会計士試験試験委員、独立行政法人造幣局契約監視委員会委員・委員長、大阪府収用委員会委員・会長、大阪府行政不服審査会委員・会長、公益財団法人日本税務研究センター評議員・同「日税研究賞」選考委員、公益財団法人納税協会連合会「税に関する論文」選考委員、公益社団法人商事法務研究会「商事法務研究会賞」審査委員、近畿税理士会・近畿税務研究センター顧問など(一部現職。ほか歴任)。

主要著書は『租税条約論』(清文社・1999年)、『租税回避論』(清文社・2014年)、『租税回避研究の展開と課題〔清永敬次先生謝恩論文集〕』(共著・ミネルヴァ書房・2015年)、『税法の基礎理論』(清文社・2021年)、『税法基本講義〔第7版〕』(弘文堂・2021年)、『基礎から学べる租税法〔第3版〕』(共著・弘文堂・2022年)、『税法創造論』(清文社・2022年)、『税法基本判例Ⅰ』(清文社、2023年)など。
 
  

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