谷口教授と学ぶ
税法の基礎理論
【第44回】
「租税法律主義の基礎理論」
-租税法律主義の機能的考察と法の支配によるコーティング-
大阪大学大学院高等司法研究科教授
谷口 勢津夫
Ⅰ はじめに
前回から、「租税法律主義の基礎理論」を主題として、日税研論集77号(近刊)で公表予定の拙稿「租税法律主義(憲法84条)」をベースにして租税法律主義の「総論的」検討を始めたが、今回は、上記拙稿のⅠの4「租税法律主義の機能的考察-法の支配による租税法律主義のコーティング-」をベースにして租税法律主義の法的性格・法的構成を検討することにする。
その検討に入る前に、後述する租税法律主義の機能的考察との関係で、法学体系における「租税法の独立性のモメント」(金子宏『租税法理論の形成と解明 上巻』(有斐閣・2010年187頁[初出・1972年])。以下『形成と解明(上)』と略記する。太字筆者)について簡単に述べておきたい。
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