〈事例で学ぶ〉
法人税申告書の書き方
【第20回】
「別表13(5) 特定の資産の買換えにより取得した資産の圧縮額等の損金算入に関する明細書」
〈その1〉
公認会計士・税理士
菊地 康夫
Ⅰ はじめに
本稿では、法人税申告書のうち、税制改正により変更もしくは新たに追加となった様式、実務書籍への掲載頻度が低い様式等を中心に、簡素な事例をもとに記載例と書き方のポイントを解説していく。
今回はいわゆる圧縮記帳の特例のうち、実務で比較的使用される頻度が高く、かつ平成29年度において改正があった、「別表13(5) 特定の資産の買換えにより取得した資産の圧縮額等の損金算入に関する明細書」を採り上げる。
Ⅱ 概要
この別表は、法人が、租税特別措置法第65条の7から第65条の9まで(特定の資産の買換えの場合の課税の特例等)の規定の適用を受ける場合に記載する。
本制度は、いわゆる圧縮記帳と呼ばれるもののうち、特定資産の買換特例に係るものである。
法人が、その所有する棚卸資産以外の特定の資産(譲渡資産)を譲渡し、譲渡の日を含む事業年度において特定の資産(買換資産)を取得し、かつ、取得の日から1年以内に買換資産を事業の用に供した場合又は供する見込みである場合に、買換資産について圧縮限度額の範囲内で帳簿価額を損金経理により減額するなどの一定の方法で経理したときは、その減額した金額を損金の額に算入することができるという制度である。
本制度の対象となる「買換え」については、租税特別措置法第65条の7第1項各号に詳しく規定されているが、その種類の概略を示すと次のようになる。
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