ハラスメント発覚から紛争解決までの
企 業 対 応
【第1回】
「代表的なハラスメントの定義とその特徴」
弁護士 柳田 忍
1 はじめに
昨今、「ハラスメント」という言葉を聞かない日はないと言っても過言ではない。どの業界、どの企業もハラスメント問題とは無縁ではなく、このような状況を受けてハラスメント対策を掲げた記事やセミナーは数多く掲載・開催されているが、多くの企業において、ハラスメントに対して適切に対応できていないのが現状であるように思う。
企業において、適切なハラスメント対策ができていない理由は、ハラスメント問題が孕むリスクの把握と、リスクが現実化した場合の損失を踏まえたうえで、意思決定を行っていないことが一因であると思われる。
そこで、本連載においては、調査・紛争・事後対応(再発防止策)の各段階において、ハラスメント問題が有するリスクとこれにより引き起こされるおそれのある損失を踏まえたうえで、企業として対応すべき事項について説明する。
なお、本連載の意見等にわたる部分については筆者個人によるものであり、所属する団体等の見解を代表するものではないことを申し添える。
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