公開日: 2026/08/20 (掲載号:No.682)
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税理士が知っておきたい不動産鑑定評価の常識 【第80回】「不動産鑑定評価基準に規定のない「場所的利益」の概念」

筆者: 黒沢 泰

税理士が知っておきたい

不動産鑑定評価常識

【第80回】

「不動産鑑定評価基準に規定のない「場所的利益」の概念」

 

不動産鑑定士 黒沢 泰

 

1 はじめに

鑑定実務に長年携わっていると、不動産鑑定評価基準には何ら規定がないものの、不動産鑑定士としての意見を求められ、あるいは鑑定評価そのものを依頼される案件もあります。このような案件に遭遇した場合、実務的な判断の拠り所を過去の判例に求めることが多くあります。

今回取り上げる「場所的利益」という概念はこれに該当する典型的な例であり、借地借家法に基づき借地権者(借主)から借地権設定者(貸主)に建物買取請求がなされた場合の建物の時価に土地の利用価値相当分が含まれるかという点をめぐって、従来から考え方が分かれていたものです(ただし、現時点では考え方に一つの方向性が見出されています)。

なお、「場所的利益」という概念は鑑定実務に登場しますが、税務では登場せず、判例の生み出した産物ともいうべきものです。

 

2 「場所的利益」という概念はどこから生じたか

借地借家法第13条及び第14条(旧借地法第10条)では、借主(借地権者)から貸主(借地権設定者)に対する建物買取請求に関し、次のように定めています。

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税理士が知っておきたい

不動産鑑定評価常識

【第80回】

「不動産鑑定評価基準に規定のない「場所的利益」の概念」

 

不動産鑑定士 黒沢 泰

 

1 はじめに

鑑定実務に長年携わっていると、不動産鑑定評価基準には何ら規定がないものの、不動産鑑定士としての意見を求められ、あるいは鑑定評価そのものを依頼される案件もあります。このような案件に遭遇した場合、実務的な判断の拠り所を過去の判例に求めることが多くあります。

今回取り上げる「場所的利益」という概念はこれに該当する典型的な例であり、借地借家法に基づき借地権者(借主)から借地権設定者(貸主)に建物買取請求がなされた場合の建物の時価に土地の利用価値相当分が含まれるかという点をめぐって、従来から考え方が分かれていたものです(ただし、現時点では考え方に一つの方向性が見出されています)。

なお、「場所的利益」という概念は鑑定実務に登場しますが、税務では登場せず、判例の生み出した産物ともいうべきものです。

 

2 「場所的利益」という概念はどこから生じたか

借地借家法第13条及び第14条(旧借地法第10条)では、借主(借地権者)から貸主(借地権設定者)に対する建物買取請求に関し、次のように定めています。

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連載目次

税理士が知っておきたい
不動産鑑定評価の常識

第1回~第40回 ※クリックするとご覧いただけます。

第41回~

筆者紹介

黒沢 泰

(くろさわ・ひろし)

大手鉄鋼メーカーの系列会社(主任部員)にて不動産鑑定業務を中心に担当。不動産鑑定士。

【役職等】
不動産鑑定士資格取得後研修担当講師(財団の鑑定評価、現在)、不動産鑑定士実務修習担当講師(行政法規総論、現在)、(公社)日本不動産鑑定士協会連合会調査研究委員会判例等研究委員会小委員長(現在)

【主著】
『土地の時価評価の実務』(平成12年6月)、『固定資産税と時価評価の実務Q&A』(平成27年3月)、『基準の行間を読む 不動産評価実務の判断と留意点』(令和元年8月)『土地利用権における鑑定評価の実務Q&A』(令和3年12月)『新版 実務につながる地代・家賃の判断と評価』(令和4年9月)『新版/税理士を悩ませる『財産評価』の算定と税務の要点』(令和5年7月)『税理士が知っておきたい/実務で役立つ 不動産鑑定評価の常識』(令和6年7月)『不動産鑑定評価書を読みこなすための基礎知識』(令和7年4月)『不動産売買・賃貸借契約の実務解説』、(令和8年3月、以上清文社)、『新版 逐条詳解・不動産鑑定評価基準』(平成27年6月)『新版 私道の調査・評価と法律・税務』(平成27年10月)、『不動産の取引と評価のための物件調査ハンドブック』(平成28年9月)、『すぐに使える不動産契約書式例60選』(平成29年7月)『雑種地の評価 裁決事例・裁判例から読み取る雑種地評価の留意点』(平成30年12月、以上プログレス)、『事例でわかる不動産鑑定の物件調査Q&A(第2版)』(平成25年3月)、『不動産鑑定実務ハンドブック』(平成26年7月、以上中央経済社)ほか多数。

      

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