法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例52】「請負契約により取得した機械装置の取得時期」
私は、中部地方において自動車部品の製造業を営む株式会社A(資本金20億円で3月決算)において、経理部長を務めております。中部地方にはわが国を代表する自動車メーカーの工場が多数存在しており、わが社もそれらに属する担当者から要求される厳しい品質基準とコスト管理に音を上げつつも、何とか食らいついて、これまで事業を維持することができてきたところです。
租税争訟レポート 【第67回】「税理士法人による期限後申告と青色申告承認取消処分(福岡地方裁判所令和4年12月14日判決)」
本件は、青色申告の承認を受けていた株式会社である原告が、確定申告書を提出期限までに提出しなかったことを理由として、処分行政庁から青色申告承認取消処分(本件処分)を受けたため、被告を相手として、本件処分の取消しを求める事案である。
〈事例から理解する〉税法上の不確定概念の具体的な判断基準 【第6回】「消費税法における届出書の提出時期に係る「やむを得ない事情」のレベル」
消費税法における課税事業者の選択や簡易課税制度については、その適用しようとする課税期間の初日の前日までに選択(不適用)届出書を提出しなければならないが、「やむを得ない事情」がある場合の宥恕規定も存在する。
これを受けて、消費税法基本通達1-4-16(13-1-5の2)は、自己の責任によらない災害、事業者に帰責事由のない状態、1ヶ月以内の相続により相続人が新たに個人事業者となったなど、税務署長がやむを得ないと認めた場合がこれに該当するとしている。
〈判例・裁決例からみた〉国際税務Q&A 【第30回】「租税条約における「利得の分配に係る事業年度の終了の日」の取扱いの変更」
前回に取り上げた事案の控訴審判決を受け、国税庁は去る3月30日、租税条約における「利得の分配に係る事業年度終了の日」の取扱いを変更したと聞きましたがその概要を教えてください。
金融・投資商品の税務Q&A 【Q79】「新しいNISA制度と現行NISA口座での投資額の取扱い」
私(居住者たる個人)は、一般NISAを利用して、上場株式等を保有しています。令和5年度税制改正でNISA制度が恒久化され、大きく仕組みが変更になると聞きました。現在NISA口座で保有している上場株式等は、2023年中に譲渡しないと非課税措置の適用を受けられないのでしょうか。
〈一から学ぶ〉リース取引の会計と税務 【第5回】「所有権移転ファイナンス・リース取引と所有権移転外ファイナンス・リース取引」
【第4回】では、ファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引の判定について整理しました。
今回は、さらにファイナンス・リース取引を「所有権移転ファイナンス・リース取引」と「所有権移転外ファイナンス・リース取引」に分類し、その判定基準について整理します。
法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準を学ぶ 【第2回】「法人税等の会計処理」
「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号。以下「法人税等会計基準」という)が示す法人税等の会計処理について解説する。
〔中小企業のM&Aの成否を決める〕対象企業の見方・見られ方 【第38回】「売り手が気にしたい財務状況のポイント(中編)」~経営指標の活用と、分析や見方のポイント①~
中小企業のM&Aでは、M&Aの成立に至る過程で必ず譲渡等の「価額」が登場します。「◯千万円」「◯億円」と提示がある際、価額は買い手側から売り手側に投げかけられる、売り手自身の価値に対するいわば評価額です。この評価にあたって、買い手側は決算などの会計情報からのみで価額を算定するわけではないですが、それでも、買い手側にとって決算は極めて重要な情報源となります。このため、M&Aでは決算書から得られる情報に対する買い手の関心は高いと思った方がよいでしょう。
そこで今回は、前回の内容を踏まえて、決算の情報に基づく主要な経営指標を活用しながら、売り手目線による分析や見方のポイントをご紹介します。
《速報解説》 改正資金決済法上の電子決済手段の発行及び保有等に係る会計上の取扱いを示す公開草案がASBJより公表される
2023年5月31日、企業会計基準委員会は、「資金決済法における特定の電子決済手段の会計処理及び開示に関する当面の取扱い(案)」(実務対応報告公開草案第66号)等を公表し、意見募集を行っている。