居住用財産の譲渡損失特例[一問一答] 【第39回】「従前の土地の隣地を取得している場合」-敷地のうちに所有期間の異なる部分がある場合-
Xは、10年前に土地(200㎡)を購入し、同年中に家屋を建築しました。
4年前に、隣地(80㎡)を購入して、従前の土地と共に居住の用に供していましたが、本年になってこれらの土地及び家屋を売却しました。
譲渡物件に係る所有期間5年超以外の他の適用要件が具備されている場合に、Xは、その譲渡の全部について、「居住用財産買換の譲渡損失特例(措法41の5)」を受けることができるでしょうか。
収益認識会計基準と法人税法22条の2及び関係法令通達の論点研究 【第58回】
法人税法施行令18条の2の条文を確認する前に、法人税基本通達2-2-16(前期損益修正)と国税庁の解説に目を通しておく。
同通達は次のとおり定める。
会計上の見積り注記の事例分析
企業会計基準第31項「「会計上の見積りの開示に関する会計基準」が、2021年3月決算より適用されている。2021年3月決算の有価証券報告書では、当該基準が適用された上で提出されているため、それらを元に今回は会計上の見積り注記の事例を分析し、解説を行う。今後の注記の記載にあたって参考とされたい。
〈事例から学ぶ〉不正を防ぐ社内体制の作り方 【第8回】「牽制と予防の仕組みの限界を考える」~共謀、非定型的な取引、経営者による内部統制の軽視等への対応~
人は元来、間違う動物です。そのため、日常の業務のなかで起きる判断の誤り、不注意による人為的なミスや不正に対し、牽制や予防をするために、私たちはさまざまな仕組みや手続をデザインして周到に備えています。しかし、あらゆる仕組みや手続には、常に限界が伴います。つまり、本来の機能が有効に働かず、求められている目的を完全に達成できなくなることが起こります。
収益認識会計基準を学ぶ 【第9回】「履行義務の充足による収益の認識①」
今回(第9回)は、履行義務の充足による収益の認識について解説する。
履行義務の充足により収益が認識されるので、どの時点で履行義務が充足されるのかを理解することが重要である。
《速報解説》 国税庁、改正電帳法を受けた改正個別通達やQ&A等を公表
税務署長の事前承認制度の廃止や検索要件の緩和など大幅な見直しが行われる改正電子帳簿等保存制度の施行(令和4年1月1日~)まで半年を切る中、国税庁は7月16日に下記の情報を公表、改正後の制度について周知を図っている。
《速報解説》 会計士協会、監基報810「要約財務諸表に関する報告業務」の改正を確定~監査人にその他の記載と要約財務諸表の間の重要な相違の有無について検討を求める~
2021年6月10日付で(ホームページ掲載日は2021年7月16日)、日本公認会計士協会は、「監査基準委員会報告書810「要約財務諸表に関する報告業務」の改正について」を公表した。これにより、2021年4月14日から意見募集されていた公開草案が確定することになる。
日本の企業税制 【第93回】「産業競争力強化法等の改正法案成立」
産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律案が6月9日参議院本会議で可決成立した。この改正法の施行の日は、同法の公布の日(6月16日)から起算して3月を超えない範囲内において政令で定める日とされている。
令和3年度税制改正における『連結納税制度』改正事項の解説 【第4回】「研究開発税制の拡充(その1)」
連結納税制度においても、厳しい経営環境にあっても研究開発投資を増加させる企業について、2年間の時限措置として、税額控除の上限を引き上げる(改正前:25%→30%)とともに、研究開発投資の増加インセンティブを強化する観点から、控除率カーブの見直し及び控除率の下限の引下げ(改正前:6%→2%)を行うこととしている。
連結納税制度における研究開発税制は、連結グループ全体を1つの計算単位として税額控除額が計算され、連結法人税額から控除し、その連結グループ全体の税額控除額を各連結法人の試験研究費の発生額の比で配分して個別帰属額が計算される。
具体的には以下の取扱いとなる(新措法68の9、新措令39の39)。