〔事例で使える〕中小企業会計指針・会計要領《退職給付債務・退職給付引当金》編 【第3回】「確定給付型企業年金制度のみの場合」
【設例3】
当社(3月決算、当期:X1年4月1日~X2年3月31日)は、退職給付制度として確定給付企業年金法に基づく確定給付企業年金制度のみを採用しています。当社は、外部の運用先である生命保険会社に企業年金掛金を支出しています。
生命保険会社から送られてきた直近年金財政計算(2月決算)の書類には、次の情報が記載されていました。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第48回】金融商品会計④「その他有価証券の評価」
Q 当社は、取引関係の維持を目的として、仕入先であるA社の株式を保有しています。A社は上場企業であり株式の時価評価が必要ですが、決算に当たって時価評価はどのように行えばよいでしょうか。
《速報解説》 「企業内容等の開示に関する留意事項について(企業内容等開示ガイドライン)」等の改正案が公表
平成26年6月30日、 金融庁は「企業内容等の開示に関する留意事項について(企業内容等開示ガイドライン)」等の改正案を公表し、意見募集を行っている。
これは、金融審議会「新規・成長企業へのリスクマネーの供給のあり方等に関するワーキング・グループ」報告書の提言及び同ワーキングにおける議論を踏まえた改正案である。
《速報解説》 「リース手法を活用した先端設備等投資支援スキームにおける借手の会計処理等に関する実務上の取扱い」(確定)について
平成26年6月30日付で、 企業会計基準委員会は、「リース手法を活用した先端設備等投資支援スキームにおける借手の会計処理等に関する実務上の取扱い」(実務対応報告第31号)を公表した。
これは、経済産業省が制定した「リース手法を活用した先端設備等導入促進補償制度推進事業事務取扱要領」(平成26年3月3日制定)3条7号におけるリース契約に基づくリース取引について、借手の会計処理及び開示に関する実務上の取扱いを示したものである。
これにより、平成26年3月7日に意見募集が行われていた公開草案が確定することになる。
なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。
《速報解説》 日本再興戦略について-企業会計に関連して-
平成26年6月24日、「日本再興戦略」改訂2014が閣議決定され、「「日本再興戦略」改訂2014―未来への挑戦―」が取りまとめられている。
「日本再興戦略」では多くの事項が取り上げられているが、本稿では、企業会計に関連する部分を紹介する。
なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。
《速報解説》 新規上場時の有価証券届出書・IFRSによる有価証券届出書に関する「企業内容等の開示に関する内閣府令の改正(公開草案)」について
平成26年6月25日、 金融庁は「企業内容等の開示に関する内閣府令等の一部を改正する内閣府令(案)」等を公表し、意見募集を行っている。
主な改正内容は、①新規上場時の有価証券届出書に掲げる財務諸表の年数短縮と②非上場のIFRS適用会社が初めて提出する有価証券届出書に掲げる連結財務諸表の年数についてである。
フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第6回】「連結納税における税効果会計」
税効果会計は大きく「個別財務諸表における税効果会計」(第4回参照)、「連結財務諸表における税効果会計」(第5回参照)、「連結納税における税効果会計」に分けることができる。
今回は「連結納税における税効果会計」について解説する。
連結納税における税効果会計は、個別財務諸表から連結財務諸表まで、以下の10のステップに分けることができる。
〔事例で使える〕中小企業会計指針・会計要領《退職給付債務・退職給付引当金》編 【第2回】「自社積立の退職一時金制度(自社退職金規程に基づく確定給付型)のみの場合」
【設例2】
当社は、退職給付制度として退職時に一時金を支給することとしています。その一時金の額の算定は、退職金規程に定めています。
退職金規程に基づいて算定した要支給額は、次のとおりです。
減損会計を学ぶ 【第11回】「事業の種類・業態により異なるグルーピング」
前回において解説したように、減損会計では、通常、固定資産のグルーピングが行われる。
「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(以下「減損適用指針」という)は、グルーピングに関して、経営の実態が適切に反映されるよう配慮して行うと述べ、資産のグルーピングを行う手順を例示することにより、実務的な指針として役立てることを目的としている(減損適用指針7項、70項)。
基礎から学ぶ統合報告 ―IIRC「国際統合報告フレームワーク」を中心に― 【第1回】「「統合報告」とは何だろうか?」
私は上場企業を中心に会計監査を長年経験し、有価証券報告書のチェックも数多くこなしてきました。IFRSへのコンバージェンスの流れの中で年々、会計基準の複雑化や注記情報の拡充が行われ、10年ほど前は100ページに満たない有価証券報告書は、いまや200ページを超えるものも珍しくない状況になっています。正直にいうと私も、金融商品や退職給付関連の高度で複雑な注記を正確に理解して財務分析に活かせる人は何%くらいいるのだろうかと考えながら業務に臨んでいました。