各ステップに移動する場合はこちらをクリック
【STEP1】引当金の要件の判定
《引当金の4要件》
① 将来の特定の費用又は損失である。
② その発生が当期以前の事象に起因する。
③ 発生の可能性が高い。
④ 金額を合理的に見積もることができる。
株主優待により、株主が商品との交換、サービスの提供、値引き等を行うことができる場合、将来に費用が発生するため、上記①の要件を満たす。
次に、これは、当期以前に株主優待を付与したという事象により発生するため、②の要件も満たす。
そして、③及び④の要件である発生の可能性が高く、金額を合理的に見積もることができる場合、株主優待引当金を計上する。株主優待を行っている会社では、どれくらい株主優待を株主に渡し、どれだけ使用されているかを管理していることが多いと考えられるため、③及び④の要件を満たすことが多いと考えられる。
なお、実務上は、全ての企業が株主優待引当金を計上しているわけではない。これは、株主優待引当金を必ず計上するという実務慣行になっていないこと、及び、財務諸表に与える影響を考慮して、計上していないことが考えられる。