ハラスメント発覚から紛争解決までの
企 業 対 応
【第6回】
「ハラスメントの事実認定と加害者の処分等における留意点」
弁護士 柳田 忍
厚生労働省の指針等に基づき、会社は、ハラスメントの相談等を受けた場合、事実関係を迅速に確認し、ハラスメントの事実が確認できた場合は、行為者に対する措置を適正に行う必要がある。
そこで、ハラスメントの事実調査を終えた後は、収集した証拠に基づいて事実認定を行い、認定した事実に基づいて加害者の処分等を実施することになるが、本稿においては、これらに関する留意点について説明する。
1 ハラスメントの事実認定
事実認定は、事実調査において収集した物的証拠と人的証拠を総合的に勘案して行うことになるが、事実認定に際して最も困る、かつ、よく直面するのが、収集した証拠の中に決定的な物的証拠がなく、供述(人的証拠)の内容が食い違っているという事態である。
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