公開日: 2015/07/30 (掲載号:No.130)
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フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第19回】「親会社による子会社の吸収合併~連結財務諸表作成会社の場合~」

筆者: 西田 友洋

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【STEP1】子会社の資産、負債及び純資産の帳簿価額の算定

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共通支配下の取引により企業集団内を移転する資産及び負債は、移転直前に付されていた連結財務諸表上の帳簿価額により計上する(企業会計基準第21号「企業結合に関する会計基準(以下「基準」という)」41、注9)。言い換えると、親会社が子会社を吸収合併により引き継ぐ子会社の資産及び負債は、子会社の連結財務諸表上の帳簿価額を引き継ぐ。

したがって、子会社は、合併期日の前日に決算を行い、資産、負債及び純資産の連結財務諸表上の帳簿価額を算定する(企業会計基準適用指針第10号「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針(以下、「適用指針」という)」205)。

連結財務諸表上の帳簿価額とは、個別財務諸表上の帳簿価額に以下の(1)から(3)を調整したものをいう(適用指針207)。

(1)  資本連結にあたり実施した子会社の資産及び負債の時価評価(時価評価に伴う税効果の調整を含む)

(2)  のれんの未償却残高

(3)  未実現損益に関する修正事項

連結財務諸表の作成にあたり、子会社の資産又は負債に含まれる未実現損益(親会社の個別財務諸表上、損益に計上された額に限る)を消去している場合には、親会社の個別財務諸表上も、未実現損益消去後の金額で当該資産又は負債を受け入れる。親会社の個別財務諸表上、当該修正に伴う差額は、特別損益に計上する。
ただし、企業結合後、短期間に第三者に処分される見込みの棚卸資産に係る未実現損益や金額的重要性が低いものについては、未実現損益の消去をせず、子会社の適正な帳簿価額をそのまま受け入れることができる。

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フロー・チャートを使って学ぶ会計実務

【第19回】

「親会社による子会社の吸収合併

~連結財務諸表作成会社の場合~」

 

仰星監査法人
公認会計士 西田 友洋

 

【はじめに】

今回は、親会社による子会社の吸収合併(連結財務諸表作成会社の場合)について解説する。

なお、本解説では、孫会社や中間子会社がある場合については、解説していない。

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連載目次

フロー・チャートを使って学ぶ会計実務

第1回~第30回

筆者紹介

西田 友洋

(にしだ・ともひろ)

公認会計士

2007年に、仰星監査法人に入所。
法定監査、上場準備会社向けの監査を中心に様々な業種の会計監査業務に従事する。
その他、日本公認会計士協会の中小事務所等施策調査会「監査専門部会」専門委員に就任している。
2019年7月退所。

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