公開日: 2017/12/28 (掲載号:No.250)
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フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第41回】「100%子会社間の対価ありの会社分割」

筆者: 西田 友洋

【STEP2】承継子会社における個別財務諸表上の会計処理

承継子会社の個別財務諸表上では、以下の会計処理が必要である(適用指針254-3、227(1)、87(1)②、409、企業会計基準第21号「企業結合に関する会計基準(以下、「基準」という)」41、注9)。

移転事業に係る資産及び負債を、会社分割の効力発生日直前に分割会社で付された適正な帳簿価額により計上する。また、株主資本相当額は、払込資本(資本金又は資本剰余金)として処理し、移転された資産等に評価・換算差額等が含まれている場合には、それも引き継ぐ。

増加すべき払込資本の内訳項目(資本金、資本準備金又はその他資本剰余金)は、会社法の規定に基づき決定する。

【親会社の会計処理】

分割会社は会社分割により移転事業に係る資産及び負債が減少するが、その対価として承継会社株式を取得するため、分割会社の純資産の額は変動しない(厳密には、評価・換算差額等や新株予約権の変動分は純資産額の額は変動する)。そのため、親会社は、分割会社株式の帳簿価額を変動させる必要はなく、特段の会計処理は不要である。

  

フロー・チャートを使って学ぶ会計実務

【第41回】

「100%子会社間の対価ありの会社分割」

 

仰星監査法人
公認会計士 西田 友洋

 

【はじめに】

今回は、100%子会社間の対価ありの会社分割を解説する。企業グループとして、経営効率化のために会社分割により子会社間で対価を交付して事業の移転を行うことがある。このことを「対価ありの会社分割」という。

100%子会社間の対価ありの会社分割は、「共通支配下の取引」【第18回】参照)に該当する。

なお、当該解説では、対価として、分割承継株式のみを、承継会社から分割会社に交付する場合で、会社分割後も承継会社は分割会社の関係会社とならない場合を前提に解説する。

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連載目次

フロー・チャートを使って学ぶ会計実務

第1回~第30回

筆者紹介

西田 友洋

(にしだ・ともひろ)

公認会計士

2007年に、仰星監査法人に入所。
法定監査、上場準備会社向けの監査を中心に様々な業種の会計監査業務に従事する。
その他、日本公認会計士協会の中小事務所等施策調査会「監査専門部会」専門委員に就任している。
2019年7月退所。

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