共通支配下の取引は、内部取引であるため、全て消去する(基準44)。そのため、分割会社が取得した承継会社株式と承継会社で計上した払込資本を消去する。
《設例》
P社の100%子会社であるY社は、同じく100%子会社であるX社へ、吸収分割により、A事業を移転した。
A事業を移転することにより、X社からY社へX社株式が交付された。なお、会社分割後、X社はY社の関係会社になっていない。
X社で増加する払込資本はその他資本剰余金とする。
親会社P社は連結財務諸表を作成している。
Y社のA事業の効力発生日直前における貸借対照表は以下のとおりである。

〈会計処理〉
1 分割子会社Y社の会計処理

(※1) 帳簿価額
(※2) 差額
2 承継子会社X社の会計処理

(※3) Y社のA事業の帳簿価額
(※4) 差額
3 親会社P社の会計処理

4 連結財務諸表における会計処理

フロー・チャートを使って学ぶ会計実務
【第41回】
「100%子会社間の対価ありの会社分割」
仰星監査法人
公認会計士 西田 友洋
【はじめに】
今回は、100%子会社間の対価ありの会社分割を解説する。企業グループとして、経営効率化のために会社分割により子会社間で対価を交付して事業の移転を行うことがある。このことを「対価ありの会社分割」という。

100%子会社間の対価ありの会社分割は、「共通支配下の取引」(【第18回】参照)に該当する。
なお、当該解説では、対価として、分割承継株式のみを、承継会社から分割会社に交付する場合で、会社分割後も承継会社は分割会社の関係会社とならない場合を前提に解説する。
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