公開日: 2015/04/30 (掲載号:No.117)
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フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第16回】「セグメント情報等の開示」

筆者: 西田 友洋

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【STEP3】セグメント情報の関連情報の開示

セグメント情報そのものだけでなく、その関連情報も開示する。

具体的には、セグメント情報の中で同様の情報が開示されている場合を除き、(1)製品及びサービスに関する情報、(2)地域に関する情報、(3)主要な顧客に関する情報をセグメント情報の関連情報として開示する。なお、当該関連情報に開示される金額は、財務諸表を作成するために採用した会計処理に基づいて開示する(基準29~32、適用指針15~18)。

※画像をクリックすると、別ウィンドウでPDFが開きます。
関連情報の開示項目 備考 (1) 製品及びサービスに関する情報 ① 主要な個々の製品又はサービスあるいはこれらの種類や性質、製造方法、販売市場等の類似性に基づく同種・同系列のグループ(以下「製品・サービス区分」という)ごとに、外部顧客への売上高を開示する。なお、当該事項を開示することが実務上困難な場合には、当該事項の開示に代えて、その旨及びその理由を開示する。 ② 外部顧客への売上高が損益計算書の売上高の10%以上である製品・サービス区分について、これを区分して開示する。また、単一の製品・サービス区分の外部顧客への売上高が損益計算書の売上高の90%超である場合、その旨を開示し、上記①の開示を省略することができる。 (2) 地域に関する情報 ① 地域に関する情報として、以下の事項を開示する。なお、当該事項を開示することが実務上困難な場合には、当該事項に代えて、その旨及びその理由を開示する。 (ⅰ) 国内の外部顧客への売上高に分類した額と海外の外部顧客への売上高に分類した額海外の外部顧客への売上高に分類した額のうち、主要な国がある場合には、これを区分して開示する。なお、各区分に売上高を分類した基準をあわせて記載する。 (ⅱ) 国内に所在している有形固定資産の額と海外に所在している有形固定資産の額海外に所在している有形固定資産の額のうち、主要な国がある場合には、これを区分して開示する。 なお、(ⅰ)及び(ⅱ)の事項に加えて、複数の国を括った地域(例えば、北米、欧州等)に係る額についても開示することができる。 ② 開示する海外の外部顧客への売上高に分類した額のうち、単一の国の外部顧客への売上高に分類した額が、損益計算書の売上高の10%以上である場合、これを主要な国として区分して開示する。また、海外に所在している有形固定資産の額のうち、単一の国に所在する有形固定資産の額が、貸借対照表の有形固定資産の額の10%以上である場合、これを区分して開示する。 ③ 国内の外部顧客への売上高に分類した額が損益計算書の売上高の90%超である場合には、その旨を開示し、上記①(ⅰ)に定める開示を省略することができる。また、国内に所在している有形固定資産の額が貸借対照表の有形固定資産の額の90%超である場合には、その旨を開示し、上記①(ⅱ)に定める開示を省略することができる。 (3) 主要な顧客に関する情報 ① 主要な顧客がある場合(下記②参照)には、その旨、当該顧客の名称又は氏名、当該顧客への売上高及び当該顧客との取引に関連する主な報告セグメントの名称を開示する。 ② 単一の外部顧客への売上高(同一の企業集団に属する顧客への売上高を集約している場合には、その売上高)が、損益計算書の売上高の10%以上である場合に、当該顧客に関する情報を開示する。

なお、報告すべきセグメントが1つしかなく、セグメント情報を開示しない企業であっても、当該関連情報を開示する。

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フロー・チャートを使って学ぶ会計実務

【第16回】

「セグメント情報等の開示」

 

仰星監査法人
公認会計士 西田 友洋

 

【はじめに】

今回は、セグメント情報等の開示について解説する。

セグメント情報等とは、以下の4つの情報をいう(企業会計基準第17号「セグメント情報等の開示に関する会計基準(以下、「基準」という)」1)。

(1) セグメント情報【STEP1】【STEP2】

(2) セグメント情報の関連情報【STEP3】

(3) 固定資産の減損損失に関する報告セグメント別情報【STEP4】

(4) のれんに関する報告セグメント別情報【STEP5】

上記(1)のセグメント情報は、マネジメント・アプローチで開示する(基準50)。マネジメント・アプローチとは、経営上の意思決定や業績を評価するために、経営者が企業を事業の構成単位に分別した方法を基礎としてセグメント情報を開示する方法である(基準45)。

なお、セグメント情報等の開示は、財務諸表利用者が、企業の過去の業績を理解し、将来のキャッシュ・フローの予測を適切に評価できるように、企業が行う様々な事業活動の内容及びこれを行う経営環境に関して適切な情報を提供するものでなければならない(セグメント情報を開示する基本原則。基準4)。

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連載目次

フロー・チャートを使って学ぶ会計実務

第1回~第30回

筆者紹介

西田 友洋

(にしだ・ともひろ)

公認会計士

2007年に、仰星監査法人に入所。
法定監査、上場準備会社向けの監査を中心に様々な業種の会計監査業務に従事する。
その他、日本公認会計士協会の中小事務所等施策調査会「監査専門部会」専門委員に就任している。
2019年7月退所。

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