谷口教授と学ぶ
税法の基礎理論
【第30回】
「租税法律主義と租税回避との相克と調和」
-租税回避否認規定の類型-
大阪大学大学院高等司法研究科教授
谷口 勢津夫
Ⅰ はじめに
前回は、租税回避否認の法的根拠について否認規定不要説と否認規定必要説を検討したが、今回は、否認規定の類型を整理した上で、否認規定に関するわが国の租税立法政策と一般的否認規定の意義及び問題を検討することにする。
租税回避の否認規定は、講学上、行為態様アプローチによる租税回避の定義(第21回Ⅱのほか第22回も参照)を前提にして、特定の「異常な」行為による租税回避に対象を限定してこれを否認する個別的否認規定(①)と、「異常な」行為を特定せず、そのときどきに問題になるであろう、何らかの「異常な」行為による租税回避を否認する一般的否認規定とに大別される(【70】=拙著『税法基本講義〔第6版〕』(弘文堂・2018年)の欄外番号。以下同じ)。後者は、さらに、個別分野別の一般的否認規定(②)とすべての分野を包括する一般的否認規定(③)とに区別される。
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