〔経営上の発生事象で考える〕会計実務のポイント 【第16回】「親会社が子会社を吸収合併する場合」
Question 当社は国内で製造業を営む上場会社である。現在、主に当社向けに部品の製造を行っている国内子会社の事業を親会社に移管することを検討している。
その方法として、親会社による子会社の吸収合併と子会社から親会社への事業譲渡(対価は現金のみ)を考えているが、それぞれの会計処理について教えていただきたい。
《速報解説》 日税連、法定相続情報証明制度の手続きを税理士が代理する際の「委任状のヒナ型」を公表~税理士資格の証明書類が必要な点に注意~
平成29年5月29日に各種相続手続きに利用することができる「法定相続情報証明制度」がスタートした。本制度の手続きは相続人等からの委任により、親族、又は定められた資格者が代理して行うことができる。これに伴い、日本税理士会連合会は、この手続きを税理士が代理する場合の委任状のヒナ型を、同年8月31日付けで同会のHP(会員専用)に公表した。
《速報解説》 国税庁、29年度改正による法人税申告期限の「延長の特例の申請書」記載例を公表~定時株主総会の招集時期による2事例を紹介、申請に当たっての留意点も~
企業と株主・投資家との充実した対話の促進という観点から株主総会招集日を柔軟に設定することが可能となるよう、法人税法においても確定申告書の提出期限を延長の特例に関する改正がなされた。
当該改正に対応して、このたび国税庁から「確定申告書の提出期限の延長の特例(法人税法第75条の2第1項第1号)の適用を受ける場合の申請書の記載例」(以下、資料という)が公表された。
これからの国際税務 【第3回】「ガイダンス文書からみた帰属主義適用の精緻化」
前回紹介したように、恒久的施設(PE)の実態が関連者間取引の複雑化や取引のデジタル化の下で変質すると、事業所得の算定方法であるPEへの帰属主義の適用も不安定にならざるを得ない。
「PEが存在する場合は、外国法人の所得のうちPEに帰属する所得を源泉地国は課税できる」とするOECDモデル条約の帰属主義の適用ガイダンスについて、更新が求められる所以である。
法人税における当初申告要件等と平成29年度税制改正【第1回】
法人税の所得金額や税額等の計算を行う際、例えば、受取配当等の益金不算入、外国税額控除、試験研究費の特別税額控除等、その制度の適用を受けるには、申告書等への所定書類の記載・添付等や証拠書類の保存など、一定の手続が必要とされるものがある。
これらの手続のうち、当初申告である確定申告書に計算明細書の記載・添付等が必要とされるものを、一般に「当初申告要件」と呼んでいる。
この当初申告要件等については、平成23年12月に抜本的な改正が行われ、また、平成29年度税制改正において更にその一部が改正されている。
組織再編税制の歴史的変遷と制度趣旨 【第2回】
平成12年10月に政府税制調査会法人課税小委員会から「会社分割・合併等の企業組織再編成に係る税制の基本的考え方」が公表された。この報告書では、同年5月に、会社分割法制を創設する商法改正が行われていることがきっかけであったと記載されている。
組織再編税制が導入される前の合併に対する税制には、明確なものが存在せず、実務上の解釈により対応していたように思われる。そして、現物出資に対する税制も圧縮記帳のみが認められており、基本的には時価取引であったと思われる。
平成29年度税制改正を踏まえた設備投資減税の選定ポイント 【第8回】「[設備種別]適用税制の選択ポイント④(建物附属設備)」
建物附属設備においては、中小企業投資促進税制は対象外となるため、商業・サービス業・農林水産業活性化税制と中小企業経営強化税制の選択となる。
商業・サービス業・農林水産業活性化税制及び中小企業経営強化税制は、原則として建物附属設備を取得する前に一定の手続きを要するため、事前準備を行う必要があるが、商業・サービス業・農林水産業活性化税制より手続きが複雑な中小企業経営強化税制が特別償却、税額控除ともに有利な制度になっている。
相続空き家の特例 [一問一答] 【第9回】「母屋と離れ等の複数の建築物がある場合の計算例①(共有相続の場合)」-相続空き家の特例の対象となる譲渡の範囲-
XとYは、昨年1月に死亡した父親の居住用家屋(昭和56年5月31日以前に建築)とその敷地を相続により取得しました。
相続の開始の直前において、父親は一人暮らしをし、父親が所有していたA土地(200㎡)は、用途上不可分の関係にある2以上の建築物(父親が所有していた母屋:140㎡、離れ:40㎡、倉庫20㎡)のある一団の土地でした。
A土地及びこれらの建築物については、Xが4分の3を、Yが4分の1を共有で相続し、母屋を耐震リフォームした上で、XとYが共に売却しました。
この場合、「相続空き家の特例(措法35③)」の適用にあたって、XとYのそれぞれにおける被相続人居住用家屋の敷地に該当する部分の面積はいくらでしょうか。
〈事例で学ぶ〉法人税申告書の書き方 【第18回】「別表10(5) 収用換地等及び特定事業の用地買収等の場合の所得の特別控除等に関する明細書」〈その1〉
この別表のうち、「Ⅰ 収用換地等の場合の所得の特別控除に関する明細書」の部分は、法人が、措置法第65条の2(収用換地等の場合の所得の特別控除)の規定の適用を受ける場合に記載する。
本制度は、法人の有する資産(棚卸資産を除く)が収用換地等に該当することとなった場合において、代替資産の圧縮記帳等の特例(措置法第64条及び第65条1項1号・2号)の適用に代えて、譲渡益と5,000万円とのいずれか低い金額まで、所得金額の計算上特別に損金の額に算入することができるというものである。