〔平成9年4月改正の事例を踏まえた〕 消費税率の引上げに伴う実務上の注意点 【第11回】税率変更の問題点(10) 「経過措置に関する注意点(その1)」
今回の税率改正は、平成26年4月1日から8%、平成27年10月1日から10%に引き上げられることとなるが、施行日をまたいで継続して行っている役務提供で、その対価の額を区分することが困難な場合、指定日(8%の場合は平成25年10月1日、10%の場合は平成26年4月1日)の前日までに締結した一定の課税資産の譲渡等の場合には、施行日後に行う課税資産の譲渡等であっても旧税率を適用する経過措置の規定が、改正消費税法(社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律)の附則において定められている。
企業不正と税務調査 【第2回】「不正のトライアングル」―不正発生のメカニズムとは―
Dan Arielyの近著“The (Honest) Truth about Dishonesty”、櫻井祐子訳『ずる』(早川書房)は、不正の発生メカニズムに対する行動経済学の実証実験の結果と知見を集めた興味深い著作だが、その中で、「シンプルな合理的不正モデル」という合理的経済学の考え方を紹介している。
それは、「人は自分の置かれたそれぞれの状況を合理的に分析し、それをもとに不正を行うかどうかを決める」というものであり、この考え方に沿って、社会が不正に対抗する手段がとられていると説明されている。
税務判例を読むための税法の学び方【4】 〔第2章〕法令の解釈方法(その3)
5 論理解釈の種類
この論理解釈の方法としていくつかあるが、大別すると、(A)言葉の範囲内での解釈方法と(B)言葉に含まれない事項についての解釈方法に分けられる。
〔税の街.jp「議論の広場」編集会議 連載7〕 株主の立場から理解する抱合株式に係る資本金等の額の計算
合併法人が有する被合併法人の株式のことを抱合株式という。法人税法施行令8条1項5号に合併に関する資本金等の額の計算が規定されているが、適格合併と非適格合併、抱合株式の処理など、すべての合併のパターンがここに規定されているため、非常に読みにくくなっている。
本稿では、難読の原因の一つである抱合株式に焦点を当て、非適格合併における資本金等の額の計算を理解するために必要な事柄を確認する。
「学校法人会計基準の在り方について 報告書」改正のポイント 【第1回】
文部科学省は、私立学校の特性を踏まえ私立学校の振興に資するよう、一般に分かりやすく、かつ経営者の適切な経営判断に資する計算書類とすることを目的に、学校法人会計基準の在り方について有識者による検討を行うこととした(学校法人会計基準の在り方に関する検討会、以下「検討会」)。
検討会による8回の会議の結果として、平成25年1月31日付けで「学校法人会計基準のあり方について 報告書」(以下「報告書」)が公表されたが、これを受けて学校法人会計基準(以下「基準」)が早い時期に改正されることが予定されている。
訂正報告書に見る不適正会計処理の現状(2)
不適正な会計処理を行い訂正報告書を提出した会社を業種別に見ると、情報・通信業、建設業、卸売業が比較的目につく。
《速報解説》 退職給付に関する会計基準適用に伴う「税効果会計に関するQ&A」の改正
平成25年2月7日、日本公認会計士協会は、「『税効果会計に関するQ&A』の改正について」を公表し、同Q&AにQ15を追加する改正を行っている。
これは、「退職給付に関する会計基準」(企業会計基準第26号)に対応するものであり、平成24年12月10日から平成25年1月9日までの間、公開草案として意見募集がなされていた。
《速報解説》 「『監査人の交代』の改正」(公開草案)の解説
平成25年1月29日付けで、日本公認会計士協会は、「監査基準委員会報告書900『監査人の交代』の改正について」(公開草案。以下「公開草案」という)を公表し、意見募集を行っている。原文は日本公認会計士協会のホームページから入手することができる。
意見募集期間は平成25年2月28日までである。