各ステップに移動する場合はこちらをクリック
【STEP1】業績評価期間の会計処理
(1) 株主総会における導入の決議及び取締役会における具体的な報酬の算定方法の決議(株主総会から委任されたものの決議)時点の会計処理
(2) 導入後の業績評価期間の各期末日における会計処理
(1) 株主総会及び取締役会決議日時点
決議時点では、株式や新株予約権の発行がなく、また、何らかの義務が生じていないことから、会計処理は必要ないと考えられる(研究報告Ⅵ6.(3)①ア)。
(2) 業績評価期間中の各期末日(四半期決算日を含む)
パフォーマンス・シェア・ユニットでは、労働等の役務の提供を受ける企業が、事前に定められた条件(業績の達成度合いに連動する株式数の決定方法)に従い、事後的に役員等に金銭債権等を付与し、当該金銭債権等の現物出資を受ける。
当該金銭債権等は、業績評価期間の役務に対応する形で事後的に付与されるため、パフォーマンス・シェア・ユニット導入時から株式交付時点までに係る役員等からの役務提供について、業績評価期間にわたり株式報酬費用等及び対応する負債(引当金)を計上することが考えられる(研究報告Ⅵ6.(3)①イ)。
また、株式報酬費用等の金額の算定方法であるが、当初決議時点において、業績目標の達成度合いごとに「株数」を決定する場合では、業績目標の達成度合いだけでなく、株価の変動によっても交付される株式の時価総額が異なる。この場合、最終的な金銭債権等の金額は、「業績評価期間の末日等の株価 × 株数(業績目標の達成度合いにより変動)」という算式で決定され、業績評価期間の経過期間に応じて義務が生じていると考えられる。そのため、費用計上額も毎期末の時価(株価)により算定していくことになると考えられる。
具体的には、事業年度をまたいで業績評価期間が設定されている場合に、各期末の費用計上累計額は以下のとおり算定され、前期末時点での費用計上累計額との差額が当期に費用計上される(研究報告Ⅵ6.(3)②)。
期末の株価 × 期末時点の業績目標の達成可能性を考慮した株数 ×(経過月数 ÷ 業績評価期間)