公開日: 2019/12/26 (掲載号:No.350)
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フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第45回】「賞与引当金」

筆者: 西田 友洋

【STEP2】賞与引当金の計上時の会計処理

決算時に従業員への賞与の支給金額が確定していない場合の会計処理は、以下のとおりである(リサーチ・センター審理情報【No.15】 未払従業員賞与の財務諸表における表示科目について(以下、「審理情報」という)2)。

また、賞与に係る社会保険料等の会社負担分も賞与が支給されれば発生する。そして、賞与引当金を見積ることができれば、社会保険料等の金額も合理的に見積ることができるため、賞与引当金の計上と同時に計上する必要がある。

(※) 賞与引当金繰入額及び法定福利費は、「売上原価」又は「販売費及び一般管理費」に計上する。

【支給金額が確定している場合(審理情報1)】

(1) 賞与支給額が支給対象期間に対応して算定されている場合
従業員への賞与支給額が確定(※)していて、支給額が支給対象期間に対応して算定されている場合には、「賞与引当金」ではなく「未払費用」で計上する。

(2) 賞与支給額が支給対象期間以外の基準に基づいて算定されている場合
従業員への賞与支給額が確定(※)しているが、支給額が支給対象期間以外の臨時的な要因(例えば、決算賞与)に基づいて算定されている場合には、「賞与引当金」ではなく「未払金」で計上する。

(※) 確定している場合とは、個々の従業員への賞与支給額が確定している場合のほか、例えば、賞与の支給率、支給月数、支給総額が確定している場合等が含まれる。

 

フロー・チャートを使って学ぶ会計実務

【第45回】

「賞与引当金」

 

RSM清和監査法人
公認会計士 西田 友洋

 

【はじめに】

今回は、賞与引当金について解説する。従業員への賞与も、給与と同様に発生主義に基づいて計上する。その際に使用する勘定科目が賞与引当金である。

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連載目次

フロー・チャートを使って学ぶ会計実務

第1回~第30回

筆者紹介

西田 友洋

(にしだ・ともひろ)

史彩監査法人 パートナー
公認会計士

2007年10月に準大手監査法人に入所。2019年8月にRSM清和監査法人に入所。2022年2月に史彩監査法人に入所。
主に法定監査、上場準備会社向けの監査を中心に様々な業種の会計監査業務に従事する。また、会社買収に当たっての財務デューデリジェンス、IPOを目指す会社への内部統制コンサル及び短期調査、収益認識コンサル実績もある。
他に、決算留意事項セミナーや収益認識セミナー等の講師実績もある。

【日本公認会計士協会委員】
監査・保証基準委員会 委員(現任)
監査・保証基準委員会 起草委員会 起草委員(現任)
中小事務所等施策調査会 「監査専門委員会」専門委員(現任)
品質管理基準委員会 起草委員会 起草委員
中小事務所等施策調査会 「SME・SMP対応専門委員会」専門委員
監査基準委員会「監査基準委員会作業部会」部会員

【書籍】
「図解と設例で学ぶ これならわかる連結会計」(共著/日本実業出版社)等

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