公開日: 2020/05/28 (掲載号:No.371)
文字サイズ

フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第48回】「仮想通貨の会計処理」

筆者: 西田 友洋

【STEP3】預かっている仮想通貨の会計処理

(1) 仮想通貨に係る資産及び負債の認識

仮想通貨交換業者は、預託者との預託の合意により仮想通貨を預かった場合、預かった仮想通貨を資産として認識する。当該資産の当初認識時の帳簿価額は、預かった時の時価とする。

また、同時に預託者に対する返還義務を負債として認識する。当該負債の当初認識時の帳簿価額は、資産の帳簿価額と同額とする(仮想通貨取扱い14)。

(2) 期末の資産の評価及び負債の貸借対照表価額

仮想通貨交換業者は、預託者から預かった仮想通貨に係る資産の期末の帳簿価額について、仮想通貨交換業者が保有する同一種類の仮想通貨と分離したうえで、活発な市場が存在する仮想通貨と活発な市場が存在しない仮想通貨の分類に応じて、仮想通貨取扱い第5項及び第6項(上記【STEP2】(2)①及び②参照)と同様の方法により評価を行う。

また、預託者への返還義務として計上した負債の期末の貸借対照表価額を、対応する預かった仮想通貨に係る資産の期末の貸借対照表価額と同額とし、預託者から預かった仮想通貨に係る資産及び負債の期末評価からは損益を計上しない(仮想通貨取扱い15)。

次は、【STEP4】を検討する。

フロー・チャートを使って学ぶ会計実務

【第48回】

「仮想通貨の会計処理」

 

RSM清和監査法人
公認会計士 西田 友洋

 

【はじめに】

日本でも様々な仮想通貨が発行されている。この仮想通貨の会計処理について、基準がなかったため、2018年3月14日にASBJより実務対応報告第38号「資金決済法における仮想通貨の会計処理等に関する当面の取扱い」(以下、「仮想通貨取扱い」という)が公表された。今回は、この「仮想通貨の取扱い」について解説する。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。

プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。

連載目次

フロー・チャートを使って学ぶ会計実務

第1回~第30回

筆者紹介

西田 友洋

(にしだ・ともひろ)

史彩監査法人 パートナー
公認会計士

2007年10月に準大手監査法人に入所。2019年8月にRSM清和監査法人に入所。2022年2月に史彩監査法人に入所。
主に法定監査、上場準備会社向けの監査を中心に様々な業種の会計監査業務に従事する。また、会社買収に当たっての財務デューデリジェンス、IPOを目指す会社への内部統制コンサル及び短期調査、収益認識コンサル実績もある。
他に、決算留意事項セミナーや収益認識セミナー等の講師実績もある。

【日本公認会計士協会委員】
監査・保証基準委員会 委員(現任)
監査・保証基準委員会 起草委員会 起草委員(現任)
中小事務所等施策調査会 「監査専門委員会」専門委員(現任)
品質管理基準委員会 起草委員会 起草委員
中小事務所等施策調査会 「SME・SMP対応専門委員会」専門委員
監査基準委員会「監査基準委員会作業部会」部会員

【書籍】
「図解と設例で学ぶ これならわかる連結会計」(共著/日本実業出版社)等

関連書籍

事例で学ぶ暗号資産・NFT・メタバースの会計税務Q&A70選

税理士 延平昌弥 著 税理士 山田誠一朗 著 税理士 髙橋健悟 著 税理士 藤原琢也 著 税理士 田村光裕 著 税理士 山中朋文 著

記事検索

メルマガ

メールマガジン購読をご希望の方は以下に登録してください。

#
#