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【STEP2】収益性の低下の判断の単位
収益性の低下の有無の判断は、原則として個別品目ごとに行う。ただし、複数の棚卸資産をグループとした単位で行うことが適切と判断されるときには、継続して適用することを条件として、グルーピングして収益性の低下の有無の判断を行う(基準12)。
以下のような場合に、グルーピングすることが適切であると判断される(基準53)。
(1) 補完的な関係にある複数商品の売買を行っている企業において、いずれか一方の売買だけでは正常な水準を超えるような収益は見込めないが、双方の売買では正常な水準を超える収益が見込めるような場合
(2) 同じ製品に使われる材料、仕掛品及び製品を 1グループとして扱う場合
なお、グルーピングを行うと、各棚卸資産の含み益と含み損が相殺されることで、結果的に収益性の低下がないと判断される場合や収益性の低下(棚卸資産評価損)の金額が小さくなる可能性がある。そのため、実務上、グルーピングを行う場合は、慎重に行う必要があると考えられる。