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【STEP5】収益性が低下している場合の会計処理
(1) 会計処理
正味売却価額が帳簿価額を下回っている場合、帳簿価額と正味売却価額との差額を評価損として計上する(基準7)。期末日における正味売却価額が帳簿価額よりも下落していないものの、契約や事業遂行上等の制約により、すぐに販売できず、将来の販売時点で収益性の低下がある場合、合理的に算定した価額を売価として、正味売却価額を算定し、評価損を計上する。
具体的な会計処理は以下のとおりである。
【会計処理(税効果は除く)】
前期に計上した評価損については、洗替え法か切放し法のいずれかの方法を棚卸資産の種類ごとに選択適用できる。また、物理的劣化や経済的劣化、若しくは市場の需給変化の要因ごとに選択適用できる。
一度、採用した方法は、原則として、継続して適用しなければならない(基準14)。
(2) 表示
収益性の低下に基づく評価損(前期に計上した評価損を戻し入れる場合には、前期の評価損の戻し額と当期の評価損の相殺後の金額)は売上原価とする。一方、棚卸資産の製造に関連し不可避的に発生すると認められるときには製造原価とする(基準17)。
収益性の低下に基づく評価損が、臨時の事象(例えば、重要な事業部門の廃止、災害損失の発生など)に起因し、かつ、多額であるときには、特別損失に計上する(基準17)。
正常な営業循環過程から外れていない棚卸資産の検討は、ここで終了である。