Q&Aでわかる
〈判断に迷いやすい〉非上場株式の評価
【第42回】
「相続開始直前に被相続人が自己株式を取得した場合の非上場株式の評価」
-総則6項の適用の可否-
税理士 柴田 健次
Q
A社の取締役会長である甲は令和6年4月22日に相続が発生しています。甲は4年前に代表権を長男である乙に移譲し、自らは会長としてA社の非常勤役員として勤務していましたが、令和5年にガンを患い余命半年の宣告を受けました。甲は遺言書を作成するとともに相続税の軽減対策のために金融機関から300,000千円の借入を行い、A社が保有する自己株式を300,000千円(時価純資産価額@20,000円×15,000株)で取得しました。
その後、甲の死亡によりA社株式を相続した乙は、A社株式の相続税評価額を30,000千円(類似業種比準価額@2,000円×15,000株)と評価し、相続税の申告を行っています。また、相続税の納税資金に充てるため、乙はA社に相続で取得したA社株式を306,000千円(時価純資産価額@20,400円×15,000株)で売却しています。
甲の自己株式取得前後及び相続後の株主の株式数と議決権割合は、それぞれ下記の通りとなります。
甲の自己株式の取得(A社における自己株式の処分)については、所得税・法人税における時価として適正なものであり、また、乙の自己株式の売却(A社における自己株式の取得)は、所得税・法人税における時価として適正なものとします。
また、A社は3月決算であり、A社の従業員数は150人で特定の評価会社には該当しませんので、類似業種比準価額が適用され、1株当たりの価額2,000円についても財産評価基本通達に従い適正なものとなります。
上記のような事実関係の場合において、財産評価基本通達6の定めにより財産評価基本通達とは別の評価方法で評価するべきとして課税当局から指摘を受けた場合には、A社株式の類似業種比準価額30,000千円は認められないのでしょうか。また、認められなかった場合には、どのような評価方法で課税されることになりますか。
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