公開日: 2023/12/07 (掲載号:No.547)
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Q&Aでわかる〈判断に迷いやすい〉非上場株式の評価 【第36回】「相続後に発行法人に相続税評価額で株式を売却した場合の課税関係の留意点」

筆者: 柴田 健次

Q&Aでわかる

〈判断に迷いやすい〉非上場株式評価

【第36回】

「相続後に発行法人に相続税評価額で
株式を売却した場合の課税関係の留意点」

 

税理士 柴田 健次

 

A株式会社の取締役である甲は令和5年11月1日に相続が発生しています。甲はA社の株式4,000株(議決権総数の40%に相当する株式)を所有していましたが、遺言によりA社の株式は、甲の配偶者である乙及び長男である丙に2,000株ずつ相続させ、その他の財産は全て乙に相続させる旨の遺言書を遺していました。A社株式の相続税評価額は、236,000,000円(59,000円 × 4,000株)であり、その他財産は14,000,000円となります。

甲の相続人は乙及び丙の2人となり、乙の納付すべき相続税は配偶者の税額軽減の適用により0円、丙の納付すべき相続税は23,222,400円となります。

乙及び丙は、A社の代表取締役である丁にA社株式の買取について相談し、A社株式4,000株を相続税評価額236,000,000円でA社に売却することで合意しました。乙及び丙は、A社の株式を令和5年11月30日に発行法人であるA社に相続税評価額236,000,000円で売却を行っています。

相続後におけるA社株主の親族構成と株式保有状況は、下記の通りとなります。
発行済株式総数は10,000株であり、1株につき1議決権を有しているものとします。
A社は甲の父が創業者であり、創業当初から現在に至るまで資本金は10,000,000円であり、甲は、甲の父からA社株式4,000株を相続し、乙及び丙は甲から2,000株ずつ相続していますので、乙及び丙の取得費はそれぞれ2,000,000円となります。

A社の役員は、甲の死亡後は丁のみとなります。

上記の場合において、A社の株式を発行法人に売却した場合の乙及び丙の課税関係、自己株式を取得したA社の課税関係、A社株主である丁の課税関係はそれぞれどのようになりますか。

所得税の時価の算定にあたっては、財産評価基本通達を準用するものとします。

A社の株式の1株当たりの類似業種比準価額と純資産価額は次の通りとなります。A社の会社の規模区分は中会社の中に該当し、A社は特定の評価会社には該当しませんので、A社株式の相続税評価額は、1株当たり59,000円(12,000円 × 75% + 200,000円 × 25%)となります。

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〈判断に迷いやすい〉非上場株式評価

【第36回】

「相続後に発行法人に相続税評価額で
株式を売却した場合の課税関係の留意点」

 

税理士 柴田 健次

 

A株式会社の取締役である甲は令和5年11月1日に相続が発生しています。甲はA社の株式4,000株(議決権総数の40%に相当する株式)を所有していましたが、遺言によりA社の株式は、甲の配偶者である乙及び長男である丙に2,000株ずつ相続させ、その他の財産は全て乙に相続させる旨の遺言書を遺していました。A社株式の相続税評価額は、236,000,000円(59,000円 × 4,000株)であり、その他財産は14,000,000円となります。

甲の相続人は乙及び丙の2人となり、乙の納付すべき相続税は配偶者の税額軽減の適用により0円、丙の納付すべき相続税は23,222,400円となります。

乙及び丙は、A社の代表取締役である丁にA社株式の買取について相談し、A社株式4,000株を相続税評価額236,000,000円でA社に売却することで合意しました。乙及び丙は、A社の株式を令和5年11月30日に発行法人であるA社に相続税評価額236,000,000円で売却を行っています。

相続後におけるA社株主の親族構成と株式保有状況は、下記の通りとなります。
発行済株式総数は10,000株であり、1株につき1議決権を有しているものとします。
A社は甲の父が創業者であり、創業当初から現在に至るまで資本金は10,000,000円であり、甲は、甲の父からA社株式4,000株を相続し、乙及び丙は甲から2,000株ずつ相続していますので、乙及び丙の取得費はそれぞれ2,000,000円となります。

A社の役員は、甲の死亡後は丁のみとなります。

上記の場合において、A社の株式を発行法人に売却した場合の乙及び丙の課税関係、自己株式を取得したA社の課税関係、A社株主である丁の課税関係はそれぞれどのようになりますか。

所得税の時価の算定にあたっては、財産評価基本通達を準用するものとします。

A社の株式の1株当たりの類似業種比準価額と純資産価額は次の通りとなります。A社の会社の規模区分は中会社の中に該当し、A社は特定の評価会社には該当しませんので、A社株式の相続税評価額は、1株当たり59,000円(12,000円 × 75% + 200,000円 × 25%)となります。

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連載目次

Q&Aでわかる
〈判断に迷いやすい〉非上場株式の評価

連載を収録した単行本が好評発売中!!

【第1回】~【第30回】

【第31回】~

筆者紹介

柴田 健次

(しばた・けんじ)

税理士
柴田健次税理士事務所 所長
東京タックスコンサルティング 代表取締役

相続・事業承継を中心に業務を行っている。

【職歴】
2004年4月 資格の大原 簿記法律専門学校講師就任
2008年1月 税理士法人レガシィに勤務
2014年1月 柴田健次税理士事務所設立

【著書】
間違いやすい事例から理解する 小規模宅地等の特例適否のポイント』(清文社)
第3版 評価明細書ごとに理解する/非上場株式の評価実務』(清文社)
Q&Aでマスターする 事業承継税制の実務』(清文社)

  

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