現代金融用語の基礎知識 【第24回】「トヨタ自動車のAA型種類株式」
筆者:鈴木 広樹
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現代金融用語の基礎知識
【第24回】
「トヨタ自動車のAA型種類株式」
事業創造大学院大学 准教授
鈴木 広樹
1 トヨタ自動車のAA型種類株式とは
トヨタ自動車のAA型種類株式とは、トヨタ自動車が発行している、以下のような特徴を持つ種類株式のことである。
① 発行価格は、発行価格決定日における普通株式の株価の120%以上(注)
② 配当額は、発行価格の、1年目0.5%、2年目1.0%、3年目1.5%、4年目2.0%、5年目以降2.5%
③ 残余財産の分配は普通株主より優先
④ 議決権あり
⑤ 5年目以降、普通株式に転換可能
⑥ 5年目以降、トヨタ自動車に対して金銭(発行価格)と引き換えに取得請求可能
⑦ 譲渡制限あり
(注) 今年7月に発行された第1回AA型種類株式の発行価格は、発行価格決定日における普通株式の株価の129.99%とされた。
なお、「AA型」とは、こうした特徴を表現した英語の略かと思われるかもしれないが、実はそうではなく、トヨタ自動車の前身である豊田自動織機製作所自動車部が昭和11年に開発・製作したトヨタ初の生産型乗用車の車名である。
2 トヨタ自動車の狙いは
こうしたAA型種類株式の特徴を見ただけでトヨタ自動車の狙いを理解することができる人はそれほど多くないだろう。②や⑥は投資家に受けそうであるが、①や⑦は敬遠されそうである。
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連載目次
「現代金融用語の基礎知識」(全25回)
- 【第1回】 「NISA(ニーサ)」
- 【第2回】 「クラウドファンディング」
- 【第3回】 「JPX日経インデックス400」
- 【第4回】 「ビットコイン」
- 【第5回】 「日本版スチュワードシップ・コード」
- 【第6回】 「影の銀行」
- 【第7回】 「イスラム金融」
- 【第8回】 「会社役員賠償責任保険」
- 【第9回】 「GPIF」
- 【第10回】 「バーゼル銀行監督委員会」
- 【第11回】 「太陽光ファンド」
- 【第12回】 「日本版コーポレートガバナンス・コード」
- 【第13回】 「多議決権種類株式」
- 【第14回】 「不適当合併等」
- 【第15回】 「監査等委員会設置会社」
- 【第16回】 「REIT(リート)」
- 【第17回】 「税務に関するコーポレートガバナンス」
- 【第18回】 「債務の株式化(デット・エクイティ・スワップ)」
- 【第19回】 「デビットカード」
- 【第20回】 「ラップ口座」
- 【第21回】 「フィンテックと金融持株会社」
- 【第22回】 「アクルーアル」
- 【第23回】 「特設注意市場銘柄」
- 【第24回】 「トヨタ自動車のAA型種類株式」
- 【第25回】 「日本版スクーク」
筆者紹介
鈴木 広樹
(すずき・ひろき)
公認会計士/事業創造大学院大学准教授
早稲田大学政治経済学部卒業。
證券会社で企業審査に従事した後、現職。【主著】
『タイムリー・ディスクロージャー(適時開示)の実務』税務研究会
『株式投資に活かす適時開示』国元書房
『株式投資の基本-伸びる会社がわかる財務諸表の読み方』税務経理協会
『検証・裏口上場-不適当合併等の事例分析』清文社
『適時開示実務入門』同文舘
『税務コンプライアンスの実務』(共著) 清文社
等