〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第28回】「グローバル・トレーディング事件(東裁平20.7.2)(その2)」~租税特別措置法施行令39条の12第8項、OECDレポート(Report on the Attribution of Profits to Permanent Establishments)Part III~
本件の争点は、(1)本件グローバル・トレーディング関係者間の利益配分と独立企業間価格の算定法、(2)残余利益の分割要因及びその合理性である(※10)。
固定資産をめぐる判例・裁決例概説 【第31回】「同族会社の行為計算否認規定が適用された2つの転貸方式の事例」
今回は不動産賃貸について、同族会社を介して転貸したことにより、通常受け取るべき賃貸料が著しく減少され、所得税の負担を不当に減少する結果になると認められるとして、同族会社の行為計算否認規定の適用を受けた2つの事案について、課税庁が示した算定根拠を検討する。
リース会計基準(案)を学ぶ 【第8回】「貸手のリースの会計処理①」
貸手の会計処理については、IFRS第16号「リース」及びTopic 842ともに抜本的な改正が行われていないため、次の点を除いて、基本的に、「リース取引に関する会計基準」(企業会計基準第13号)及び「リース取引に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第16号)の定めを維持している(リース会計基準(案)BC12項、BC47項、リース適用指針(案)BC84項)。
開示担当者のためのベーシック注記事項Q&A 【第16回】「株主資本等変動計算書に関する注記」
当社は連結計算書類の作成義務のある会社です。連結注記表及び個別注記表における株主資本等変動計算書に関する注記について、どのような内容を記載する必要があるか教えてください。
日本の企業税制 【第120回】「令和6年度税制改正に向けた外形標準課税の見直しに係る議論」
去る10月12日、総務省の「地方法人課税に関する検討会」(第7回)が開かれた。今後は11月6日の第8回会合において、外形標準課税の対象法人のあり方に係る基本的な枠組みのとりまとめに向けた議論が予定されている。
暗号資産(トークン)・NFTをめぐる税務 【第28回】
日本の所得税法も、円単位で所得を測定し、税額を算定することを予定しており、円という通貨は、価値を計る物差しであり、円という通貨(邦貨)で構成される現金については他の資産について観念するような形で譲渡損益を観念することはないという見解がありうる(増井良啓「債務免除益をめぐる所得税法上のいくつかの解釈問題(上)」ジュリスト1315号196頁参照。所得税法が金額の単位を円としていることについて、所得税法89条など参照)
相続税の実務問答 【第88回】「法人税の調査において死亡退職金の額が過大であると認定された場合」
父が令和2年3月に亡くなり、父が社長を務めていたA社から2億5,000万円の死亡退職金が支払われました。A社の法人税の申告では、この死亡退職金全額を損金の額に算入していました。ところが、このほどA社の法人税について税務調査があり、死亡退職金2億5,000万円のうち5,000万円は過大であって損金算入が認められないとして、法人税の更正処分を受けました。
相続税の申告においては2億5,000万円をみなし相続財産として、相続税法12条1項6号の規定により非課税となる金額を控除した残額を課税価格に含めていますが、法人税の損金算入を認められなかった5,000万円を相続税の課税価格から減額する更正の請求をすることはできますか。
〈ポイント解説〉役員報酬の税務 【第54回】「役員給与の損金不算入と同族会社の行為計算否認規定」
当社は、勤務実態のない代表者の家族に役員報酬を支給しています。法人税法には同族会社の行為計算否認という規定があるようですが、これが適用されてしまう可能性はありますか。
基礎から身につく組織再編税制 【第57回】「適格株式交換(完全支配関係)」
前回は組織再編税制における「株式交換」に関する基本的な考え方を解説しました。今回からは数回にわたり適格株式交換に該当する場合の要件について整理していきます。
今回は「完全支配関係がある場合」の適格株式交換の要件について確認します。
なお、完全支配関係の定義については、本連載の【第2回】を参照してください。
〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第27回】「グローバル・トレーディング事件(東裁平20.7.2)(その1)」~租税特別措置法施行令39条の12第8項、OECDレポート(Report on the Attribution of Profits to Permanent Establishments)Part III~
グローバル・トレーディングとは、金融機関等が行う世界規模での金融商品等の取引をいう。ここでいう世界規模での取引とは、3つの主要な時間帯(ニューヨーク、ロンドン、東京又は香港)に跨って行われるものを指す。OECDの「金融商品のグローバル・トレーディングを実施する企業のPEに帰する利益についてのディスカッション・ペーパー(※1)」によれば、グローバル・トレーディングとは、24時間顧客の注文に応じて世界市場で金融商品を売買する金融機関等の活動とされ、取り扱う金融商品は債券、株式、金融先物や金融派生商品等多岐にわたり、利益の形態も株式貸与(※2)やレポ取引からの利子、証券ブローカーとしての手数料等様々である。