Q&Aでわかる
〈判断に迷いやすい〉非上場株式の評価
【第37回】
「同族株主である個人が株式を個人又は法人に
売却する場合の子会社株式の評価方法」
税理士 柴田 健次
Q
甲は昭和40年にA社を設立し建設業を営んでいます。A社は昭和60年に資本金1,000万円でB社を設立し、現在に至るまでB社の株式を100%所有しています。
甲は、令和5年に代表取締役を辞任し、甲の甥である乙が新たに代表取締役に就任しました。甲はA社の株式を100%保有しており、乙に株式の承継を検討していますが、その方法として下記のいずれかの方法を考えています。
(1) 甲が乙にA社株式を売却する方法
(2) 乙が新たに法人(乙が100%出資)を設立し、その新設法人であるC社にA社株式を売却する方法
直前期末における会社規模区分は、A社は中会社の大であり、B社は中会社の中に該当し、いずれも特定の評価会社に該当しません。
個人である乙への譲渡については、財産評価基本通達に基づき売買価額を決定し、法人であるC社への譲渡については、所得税基本通達59-6の定めに基づいて財産評価基本通達を準用し、売買価額を決定することにします。
A社株式の類似業種比準価額は純資産価額よりも小さくなりますので、A社株式の相続税評価額は、類似業種比準価額×90%+純資産価額×10%で評価することになります。一方、所得税基本通達59-6の定めに基づく価額算定にあたっては、甲が中心的な同族株主に該当しますので、類似業種比準価額×50%+純資産価額×50%で計算することになります。
この場合において、上記A社の純資産価額の算定にあたり、第5表「1株当たりの純資産価額(相続税評価額)の計算明細書」の相続税評価額欄に記載されるB社株式の相続税評価額はいくらになりますか。
B社の発行済株式総数は10,000株であり、1株につき1議決権を有しているものとします。B社株式は、創業以来、売買されたことはなく、B社と事業の種類、規模、収益の状況等が類似する他の法人の株式の価額もありません。
B社株式の1株当たりの類似業種比準価額と純資産価額は、次の通りとなります。
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