公開日: 2020/08/27 (掲載号:No.383)
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Q&Aでわかる〈判断に迷いやすい〉非上場株式の評価 【第10回】「〔第1表の1〕株主判定と遺産分割のやり直し」

筆者: 柴田 健次

Q&Aでわかる

〈判断に迷いやすい〉非上場株式評価

【第10回】

「〔第1表の1〕株主判定と遺産分割のやり直し」

 

税理士 柴田 健次

 

乙は甲から相続により、非上場会社であるA社の議決権総数のうち6%の株式を取得しています。筆頭株主は戊であり、議決権総数の94%の株式を有しています。A社の役員は、戊のみであり、甲の相続人である乙及び丙はいずれもA社の役員には該当していません。

甲の相続人から依頼を受けて相続税の申告を行ったB税理士法人は特例的評価方式(配当還元価額)によりA社の株式の評価を行いましたが、その後、甲の相続税の税務調査によりA社株式については、特例的評価方式(配当還元価額)は適用できず、原則的評価方式により評価するべきとして、増額更正処分を受けました。

遺産分割協議においては、乙がA社株式を取得する代わりに、丙に代償金を支払うことが前提となっており、代償金の算定においては、配当還元価額で評価したA社株式評価額の2分の1相当額で計算がなされていました。

そこで、当初の遺産分割協議において錯誤があったものとして取消しを主張し、A社の議決権総数6%の株式のうち、3%ずつを乙と丙が取得する旨の遺産分割協議書を作成すれば、更正の請求により特例的評価方式(配当還元価額)は認められるのでしょうか。また、遺産分割協議のやり直しとして、乙から丙に3%の株式の贈与があったものとして贈与税の課税対象になるのでしょうか。


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〈判断に迷いやすい〉非上場株式評価

【第10回】

「〔第1表の1〕株主判定と遺産分割のやり直し」

 

税理士 柴田 健次

 

乙は甲から相続により、非上場会社であるA社の議決権総数のうち6%の株式を取得しています。筆頭株主は戊であり、議決権総数の94%の株式を有しています。A社の役員は、戊のみであり、甲の相続人である乙及び丙はいずれもA社の役員には該当していません。

甲の相続人から依頼を受けて相続税の申告を行ったB税理士法人は特例的評価方式(配当還元価額)によりA社の株式の評価を行いましたが、その後、甲の相続税の税務調査によりA社株式については、特例的評価方式(配当還元価額)は適用できず、原則的評価方式により評価するべきとして、増額更正処分を受けました。

遺産分割協議においては、乙がA社株式を取得する代わりに、丙に代償金を支払うことが前提となっており、代償金の算定においては、配当還元価額で評価したA社株式評価額の2分の1相当額で計算がなされていました。

そこで、当初の遺産分割協議において錯誤があったものとして取消しを主張し、A社の議決権総数6%の株式のうち、3%ずつを乙と丙が取得する旨の遺産分割協議書を作成すれば、更正の請求により特例的評価方式(配当還元価額)は認められるのでしょうか。また、遺産分割協議のやり直しとして、乙から丙に3%の株式の贈与があったものとして贈与税の課税対象になるのでしょうか。

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連載目次

Q&Aでわかる
〈判断に迷いやすい〉非上場株式の評価

連載を収録した単行本が好評発売中!!

【第1回】~【第30回】

【第31回】~

筆者紹介

柴田 健次

(しばた・けんじ)

税理士
柴田健次税理士事務所 所長
東京タックスコンサルティング 代表取締役

相続・事業承継を中心に業務を行っている。

【職歴】
2004年4月 資格の大原 簿記法律専門学校講師就任
2008年1月 税理士法人レガシィに勤務
2014年1月 柴田健次税理士事務所設立

【著書】
第4版 評価明細書ごとに理解する/非上場株式の評価実務』(清文社)
間違いやすい事例から理解する 小規模宅地等の特例適否のポイント』(清文社)
Q&Aでマスターする 事業承継税制の実務』(清文社)

  

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