公開日: 2025/07/10 (掲載号:No.626)
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Q&Aでわかる〈判断に迷いやすい〉非上場株式の評価 【第56回】「従業員持株会から発行法人が株式を取得した場合の留意点」

筆者: 柴田 健次

Q&Aでわかる

〈判断に迷いやすい〉非上場株式評価

【第56回】

「従業員持株会から発行法人が株式を取得した場合の留意点」

 

税理士 柴田 健次

 

【第55回】の事例では、従業員持株会から同族株主が配当還元価額で株式を取得した場合には、時価と対価との差額に対して贈与税の課税がされることになるとのことでしたが、株式の取得者が同族株主ではなく、発行法人である場合には資本取引等に該当するため、贈与税の課税関係は発生しないという認識でよいのでしょうか。

前提状況は、株式の取得者以外は【第55回】と同様で、甲は将来的にA社を解散又はM&AによりA社株式の売却も検討しています。従業員持株会を解散した後にその清算手続きにおいて令和6年12月1日に従業員持株会の株式は、発行法人であるA社に配当還元価額である50,000円で譲渡されたものとします。

■A社株式の所有状況の推移

(※1) 普通株式、1株につき1議決権

(※2) 配当優先無議決権株式

令和6年12月1日時点における自己株式取得前の普通株式に係る第4表「類似業種比準価額等の計算明細書」及び第5表「1株当たりの純資産価額(相続税評価額)の計算明細書」は、それぞれ下記の通りとなります。

A社の会社規模区分は、中会社の大に該当しますので、甲の自己株式取得前の1株当たりの相続税評価額は、下記の通りとなります。

87,900円 × 90% + 250,000円 × 10% = 104,110円

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Q&Aでわかる

〈判断に迷いやすい〉非上場株式評価

【第56回】

「従業員持株会から発行法人が株式を取得した場合の留意点」

 

税理士 柴田 健次

 

【第55回】の事例では、従業員持株会から同族株主が配当還元価額で株式を取得した場合には、時価と対価との差額に対して贈与税の課税がされることになるとのことでしたが、株式の取得者が同族株主ではなく、発行法人である場合には資本取引等に該当するため、贈与税の課税関係は発生しないという認識でよいのでしょうか。

前提状況は、株式の取得者以外は【第55回】と同様で、甲は将来的にA社を解散又はM&AによりA社株式の売却も検討しています。従業員持株会を解散した後にその清算手続きにおいて令和6年12月1日に従業員持株会の株式は、発行法人であるA社に配当還元価額である50,000円で譲渡されたものとします。

■A社株式の所有状況の推移

(※1) 普通株式、1株につき1議決権

(※2) 配当優先無議決権株式

令和6年12月1日時点における自己株式取得前の普通株式に係る第4表「類似業種比準価額等の計算明細書」及び第5表「1株当たりの純資産価額(相続税評価額)の計算明細書」は、それぞれ下記の通りとなります。

A社の会社規模区分は、中会社の大に該当しますので、甲の自己株式取得前の1株当たりの相続税評価額は、下記の通りとなります。

87,900円 × 90% + 250,000円 × 10% = 104,110円

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連載目次

Q&Aでわかる
〈判断に迷いやすい〉非上場株式の評価

連載を収録した単行本が好評発売中!!

【第1回】~【第30回】

【第31回】~

筆者紹介

柴田 健次

(しばた・けんじ)

税理士
柴田健次税理士事務所 所長
東京タックスコンサルティング 代表取締役

相続・事業承継を中心に業務を行っている。

【職歴】
2004年4月 資格の大原 簿記法律専門学校講師就任
2008年1月 税理士法人レガシィに勤務
2014年1月 柴田健次税理士事務所設立
2025年6月 中央税務会計事務所 副所長就任

【著書】
第4版 評価明細書ごとに理解する/非上場株式の評価実務』(清文社)
間違いやすい事例から理解する 小規模宅地等の特例適否のポイント』(清文社)
Q&Aでマスターする 事業承継税制の実務』(清文社)

  

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