《速報解説》
非居住者を扶養控除等の対象とする場合の
「親族関係書類・送金関係書類」の添付を義務化
~会計検査院の指摘受け平成28年分所得税から(平成27年度税制改正大綱)~
公認会計士・税理士 篠藤 敦子
(1) はじめに
平成27年度税制改正大綱において、日本国外に居住する親族について扶養控除等の適用を受ける場合には、一定の書類の添付等を義務付けることが示された(大綱p32)。
この見直しは、平成28年分以後の所得税(給与等及び公的年金等の源泉徴収については、平成28年1月1日以後に支払われるものから)並びに平成29年度分以降の個人住民税に適用することとされている。
(2) 現行制度の概要
居住者が控除対象配偶者を有する場合には、配偶者控除が適用され、控除対象扶養親族を有する場合には、扶養控除が適用される(所法83、84)。また、居住者の控除対象配偶者又は扶養親族が障害者である場合には、障害者控除が適用される(所法79②)。
控除対象配偶者や扶養親族を判定するための要件は、居住者と生計を一にする配偶者又は親族であることと、合計所得金額が38万円以下であることであり、配偶者や親族が居住者であることは要件とされていない(所法2①三十三、三十四)。
また、生命保険料控除や地震保険料控除等の適用を受ける場合には、年末調整や確定申告の際に、支払金額を証明する書類の添付が求められているが、配偶者控除、扶養控除、障害者控除(以下「扶養控除等」という)、配偶者特別控除の適用には、要件を満たしていることを証明する書類の添付は法令に定められていない(所令262①、319)。
(3) 見直しの背景
会計検査院の平成25年度決算検査報告において、「日本国外に居住する控除対象扶養親族に係る扶養控除の適用状況等について」という指摘がなされた。
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