M&Aに必要な
デューデリジェンスの基本と実務
-法務編-
弁護士法人ほくと総合法律事務所
弁護士 鈴木 裕也
本連載では、法務デューデリジェンスにおいて弁護士が具体的に何をどう調査しているのかを、調査項目ごとに詳述している。今回はその第4章として、「不動産」項目を取り上げる。
《第4章》
-不動産-
【第4回】
「不動産の調査」
はじめに
大多数の会社は、事務所、店舗、工場等として不動産を用いたり、不動産を賃貸して収益を上げたりして、何らかの形で不動産を利用している。このように、大多数の会社にとって不動産は会社の事業と切っても切り離せない関係にあるため、通常、M&A取引の買主は、対象会社が所有・賃借していた不動産をM&A取引終了後も有効に利用することができるのか強い関心を有している。
そして、M&A取引において対象会社が所有・賃借しているとされる不動産を承継したものの、後になって対象会社が当該不動産を所有していなかったり、不動産を賃貸する権限のない第三者から賃借していたことが発覚したりした場合には、真の権利者から不動産の明渡しや損害賠償を求められるなどして、買主が大きな損害を被る可能性がある(当該不動産から生じる事業収益が対象会社の収益の大部分を占めていれば、M&A取引で実現しようとした目的自体が達成できなくなってしまう)。
このような事態を未然に防ぐため、法務デューデリジェンス(以下「法務DD」という)では、不動産を調査対象項目とすることが一般的に行われている。
それでは、法務DDにおいて、不動産についてどのような調査が行われているのであろうか。以下では、法務DDにおける不動産の調査手続の具体的な内容を概説する。
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