公開日: 2023/08/31 (掲載号:No.533)
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Q&Aでわかる〈判断に迷いやすい〉非上場株式の評価 【第29回】「〔第2表〕株式等保有特定会社の判定の留意点」

筆者: 柴田 健次

Q&Aでわかる

〈判断に迷いやすい〉非上場株式評価

【第29回】

「〔第2表〕株式等保有特定会社の判定の留意点」

 

税理士 柴田 健次

 

A社、B社、C社及びD社における株式の相続税評価額の計算において、それぞれA社及びB社については直前期末方式を採用し、C社及びD社については仮決算方式を採用した場合には、下記の通り株式等保有割合が50%未満となり、株式等保有特定会社に該当せず、一般の評価会社として評価することができますか。

なお、いずれの会社も株式等特定会社以外の特定の評価会社には該当しないものとします。

直前期末から課税時期までの各社の株式等保有割合の変動理由は、下記の通りとなります。

【A社】

直前期末から課税時期までの間に上場株式を購入したことが要因となります。A社は、毎年一定額を上場株式に投資しており、上場株式を売却目的で保有しています。

【B社】

直前期末から課税時期までの間に子会社を購入したことが要因となります。

【C社】

直前期末から課税時期までの間に本社の土地建物を購入したことが要因となります。本社購入は、本社の定期借家契約が満了したことに伴うものであり、借入により土地建物を購入しています。

【D社】

直前期末から課税時期までの間に被相続人から1億円の借入を行ったことに起因するものとなります。借入の理由は、D社において投資業を行うためとなります。定款の事業目的の変更も行い、1億円のうち2,000万円については上場株式、証券投資信託に投資され、残りの8,000万円については外貨建預金に投資しています。なお、当該借入の主たる目的は、株式等保有特定会社を免れるためであり、顧問税理士のアドバイスを基に実行されたものとなります。

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【第29回】

「〔第2表〕株式等保有特定会社の判定の留意点」

 

税理士 柴田 健次

 

A社、B社、C社及びD社における株式の相続税評価額の計算において、それぞれA社及びB社については直前期末方式を採用し、C社及びD社については仮決算方式を採用した場合には、下記の通り株式等保有割合が50%未満となり、株式等保有特定会社に該当せず、一般の評価会社として評価することができますか。

なお、いずれの会社も株式等特定会社以外の特定の評価会社には該当しないものとします。

直前期末から課税時期までの各社の株式等保有割合の変動理由は、下記の通りとなります。

【A社】

直前期末から課税時期までの間に上場株式を購入したことが要因となります。A社は、毎年一定額を上場株式に投資しており、上場株式を売却目的で保有しています。

【B社】

直前期末から課税時期までの間に子会社を購入したことが要因となります。

【C社】

直前期末から課税時期までの間に本社の土地建物を購入したことが要因となります。本社購入は、本社の定期借家契約が満了したことに伴うものであり、借入により土地建物を購入しています。

【D社】

直前期末から課税時期までの間に被相続人から1億円の借入を行ったことに起因するものとなります。借入の理由は、D社において投資業を行うためとなります。定款の事業目的の変更も行い、1億円のうち2,000万円については上場株式、証券投資信託に投資され、残りの8,000万円については外貨建預金に投資しています。なお、当該借入の主たる目的は、株式等保有特定会社を免れるためであり、顧問税理士のアドバイスを基に実行されたものとなります。

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連載目次

Q&Aでわかる
〈判断に迷いやすい〉非上場株式の評価

連載を収録した単行本が好評発売中!!

【第1回】~【第30回】

【第31回】~

筆者紹介

柴田 健次

(しばた・けんじ)

税理士
柴田健次税理士事務所 所長
東京タックスコンサルティング 代表取締役

相続・事業承継を中心に業務を行っている。

【職歴】
2004年4月 資格の大原 簿記法律専門学校講師就任
2008年1月 税理士法人レガシィに勤務
2014年1月 柴田健次税理士事務所設立

【著書】
第4版 評価明細書ごとに理解する/非上場株式の評価実務』(清文社)
間違いやすい事例から理解する 小規模宅地等の特例適否のポイント』(清文社)
Q&Aでマスターする 事業承継税制の実務』(清文社)

  

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