計算書類作成に関する
“うっかりミス”の事例と防止策
【第6回】
(最終回)
「「表示方法の変更」で起こるコピペのミス」
公認会計士 石王丸 周夫
1 今回の事例
計算書類のドラフトには、うっかりミスがつきものです。
たとえば、こんなミスをよく見かけます。
【事例6-1】
表示方法の変更の記載で、「前連結会計年度の決算書について組換えした」旨を記載してしまうミス。
〔誤〕
表示方法の変更
前連結会計年度まで投資その他の資産の「その他」に含めて表示しておりました「長期貸付金」は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度より、区分掲記しました。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行っております。
〔正〕
表示方法の変更
前連結会計年度まで投資その他の資産の「その他」に含めて表示しておりました「長期貸付金」は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度より、区分掲記しました。なお、前連結会計年度の「長期貸付金」は***百万円であります。
【事例6-1】は、連結注記表に記載される「表示方法の変更」の文章です。
連結貸借対照表の表示科目について、前年度の連結貸借対照表と異なる表示に変更したため、そのことを注意喚起すべく記載したものです。
上段が誤った事例、下段が正しい事例で、赤字部分が両者の異なる部分です。
誤った事例では、前連結会計年度の連結貸借対照表を組み替えたと言っていますが、正しい事例では、組換えについては言及していません。
たったそれだけの違いでしかないのですが、これは、わかる人が見れば一発で間違いとわかるミスです。こうしたミスが、そのまま社外に公表されてしまうと、その会社の決算書作成能力に疑問を持たれるかもしれません。
したがって、こういうミスは必ず防がなければならないのです。
実はこのミス、起こるべくして起こったものです。
そして、原因を知れば防止法も自ずと見えてきます。
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