公開日: 2015/03/12 (掲載号:No.110)
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計算書類作成に関する“うっかりミス”の事例と防止策 【第6回】「「表示方法の変更」で起こるコピペのミス」

筆者: 石王丸 周夫

計算書類作成に関する

“うっかりミス”の事例と防止策

【第6回】
(最終回)

「「表示方法の変更」で起こるコピペのミス」

 

公認会計士 石王丸 周夫

 

1 今回の事例

計算書類のドラフトには、うっかりミスがつきものです。
たとえば、こんなミスをよく見かけます。

【事例6-1】
表示方法の変更の記載で、「前連結会計年度の決算書について組換えした」旨を記載してしまうミス。

〔誤〕

表示方法の変更

前連結会計年度まで投資その他の資産の「その他」に含めて表示しておりました「長期貸付金」は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度より、区分掲記しました。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行っております。

〔正〕

表示方法の変更

前連結会計年度まで投資その他の資産の「その他」に含めて表示しておりました「長期貸付金」は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度より、区分掲記しました。なお、前連結会計年度の「長期貸付金」は***百万円であります。

【事例6-1】は、連結注記表に記載される「表示方法の変更」の文章です。

連結貸借対照表の表示科目について、前年度の連結貸借対照表と異なる表示に変更したため、そのことを注意喚起すべく記載したものです。

上段が誤った事例、下段が正しい事例で、赤字部分が両者の異なる部分です。

誤った事例では、前連結会計年度の連結貸借対照表を組み替えたと言っていますが、正しい事例では、組換えについては言及していません。

たったそれだけの違いでしかないのですが、これは、わかる人が見れば一発で間違いとわかるミスです。こうしたミスが、そのまま社外に公表されてしまうと、その会社の決算書作成能力に疑問を持たれるかもしれません。

したがって、こういうミスは必ず防がなければならないのです。

実はこのミス、起こるべくして起こったものです。
そして、原因を知れば防止法も自ずと見えてきます。

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公認会計士 石王丸 周夫

 

1 今回の事例

計算書類のドラフトには、うっかりミスがつきものです。
たとえば、こんなミスをよく見かけます。

【事例6-1】
表示方法の変更の記載で、「前連結会計年度の決算書について組換えした」旨を記載してしまうミス。

〔誤〕

表示方法の変更

前連結会計年度まで投資その他の資産の「その他」に含めて表示しておりました「長期貸付金」は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度より、区分掲記しました。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行っております。

〔正〕

表示方法の変更

前連結会計年度まで投資その他の資産の「その他」に含めて表示しておりました「長期貸付金」は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度より、区分掲記しました。なお、前連結会計年度の「長期貸付金」は***百万円であります。

【事例6-1】は、連結注記表に記載される「表示方法の変更」の文章です。

連結貸借対照表の表示科目について、前年度の連結貸借対照表と異なる表示に変更したため、そのことを注意喚起すべく記載したものです。

上段が誤った事例、下段が正しい事例で、赤字部分が両者の異なる部分です。

誤った事例では、前連結会計年度の連結貸借対照表を組み替えたと言っていますが、正しい事例では、組換えについては言及していません。

たったそれだけの違いでしかないのですが、これは、わかる人が見れば一発で間違いとわかるミスです。こうしたミスが、そのまま社外に公表されてしまうと、その会社の決算書作成能力に疑問を持たれるかもしれません。

したがって、こういうミスは必ず防がなければならないのです。

実はこのミス、起こるべくして起こったものです。
そして、原因を知れば防止法も自ずと見えてきます。

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連載目次

計算書類作成に関する“うっかりミス”の事例と防止策

▷2015年掲載
▷2016年掲載
▷2017年掲載
▷2018年掲載
▷2020年掲載
▷2021年掲載
▷2022年掲載
▷2023年掲載
▷2024年掲載
▷2025年掲載
  • 【第47回】 うっかりミスが何度も繰り返される箇所を要チェック①~損益計算書の「法人税等調整額」~ 3/19公開
  • 【第48回】 うっかりミスが何度も繰り返される箇所を要チェック②~事業報告の「財産及び損益の状況」~ 3/27公開

筆者紹介

石王丸 周夫

(いしおうまる・のりお)

公認会計士
石王丸公認会計士事務所

1968年生まれ。
1991年、慶応義塾大学商学部卒業。
1990年から2004年まで、監査法人トーマツ(現有限責任監査法人トーマツ)にて会計監査実務に従事し、多くの企業を担当。
2004年に石王丸公認会計士事務所開業。現在は、監査や上場企業へのディスクロージャー・コンサルティングを中心に活動している。

【主な著作】
・『気候変動リスクと会社経営 はじめの一歩
・『経理財務担当者、士業のための 最短で導き出す分配可能額
・『パターン別 計算書類作成「うっかりミス」の防ぎ方
・『会社の姿が浮かびあがるカンタン経営分析 決算書あぶり出し分析法』(以上、清文社)

   

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