公開日: 2014/11/27 (掲載号:No.96)
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フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第11回】「リース取引(借手)」

筆者: 西田 友洋

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【STEP6】所有権移転ファイナンス・リース取引

所有権移転ファインス・リース取引でも所有権移転外ファイナンス・リース取引と同様に以下の3つを検討し、売買処理に準じた会計処理を行う。

(1) リース資産及びリース債務の計上額

(2) 支払リース料の利息相当額

(3) リース資産の減価償却

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(1) リース資産及びリース債務の計上額

貸手の現金購入価額等が明らかな場合と明らかでない場合で、リース資産及びリース債務の計上額は異なる。

(ⅰ) 貸手の現金購入価額等が明らかな場合
貸手の現金購入価額等が明らかな場合、当該現金購入価額等でリース資産及びリース債務を計上する(適用指針37(1))。

(ⅱ) 貸手の現金購入価額等が明らかでない場合
貸手の現金購入価額等が明らかでない場合、【STEP5】(3)①(ⅱ)と同様にリース料総額(残価保証がある場合は、残価保証額を含む)を【STEP1】(1)①(ⅱ)の割引率で割り引いた現在価値と見積現金購入価額(【STEP1】(1)②参照)のいずれか低い価額によりリース資産及びリース債務を計上する。割安購入選択権(【STEP4】参照)がある場合は、リース料総額にこの行使価額を含める(適用指針37(2))。

また、貸手の現金購入価額等は明らかでない場合が多いので、(ⅱ)を用いることが多い。

 

(2) 支払リース料の利息相当額

所有権移転外ファイナンス・リース取引と同様に、リース料総額は、利息相当額部分とリース債務の元本相当額部分とに区分計算し、利息相当額部分は利息法により各期に支払利息として会計処理し、元本相当額部分はリース債務の元本返済として会計処理する(適用指針38、39、23、24)。

現在価値基準の判定上、維持管理費用相当額等をリース料総額から控除している場合、リース料総額から維持管理費用相当額等の合理的見積額を差し引く。維持管理費用相当額等は発生時にその内容を示す勘定科目で費用計上する(適用指針40、41、25、26)。

また、利息相当額の総額及び各期に計上する支払利息(利息法)は以下のようになる。内容は【STEP5】(3)②と同様である。

(ⅰ) 利息相当額の総額
利息相当額の総額は、リース取引開始日のリース料総額とリース資産(リース債務)の計上価額との差額になる(適用指針38、23)。

(ⅱ) 各期に計上する支払利息(利息法)
利息法により各期に計上する支払利息はリース債務の未返済元本残高に一定の利率(リース料総額の現在価値がリース取引開始日におけるリース資産(リース債務)の計上価額が等しくなる利率)を乗じて計算する。割安購入選択権がある場合は、リース料総額にその行使価額を含める(適用指針39、24)。

 

(3) リース資産の減価償却

リース資産の減価償却においても通常の固定資産と同様に耐用年数、償却方法を決定する必要がある。

(ⅰ) 耐用年数
経済的使用可能予測期間を用いる(適用指針42)。

(ⅱ) リース資産の償却方法
自己所有の固定資産に適用する減価償却方法と同一の方法を用いる(適用指針42)。

会計処理の検討後は、【STEP8】(1)で注記を検討する。

(次ページ【STEP7】へ進む)

フロー・チャートを使って学ぶ会計実務

【第11回】

「リース取引(借手)」

 

仰星監査法人
公認会計士 西田 友洋

 

【はじめに】

今回は、リース取引の借手の会計処理について解説する。

借手におけるリース取引の会計処理は以下の8つのSTEPで検討することになる。なお、本解説では企業会計基準第13号「リース取引に関する会計基準」(以下「基準」という)及び企業会計基準適用指針第16号「リース取引に関する会計基準の適用指針」(以下「適用指針」という)適用前のリース取引の会計処理については解説していない。

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連載目次

フロー・チャートを使って学ぶ会計実務

第1回~第30回

筆者紹介

西田 友洋

(にしだ・ともひろ)

公認会計士

2007年に、仰星監査法人に入所。
法定監査、上場準備会社向けの監査を中心に様々な業種の会計監査業務に従事する。
その他、日本公認会計士協会の中小事務所等施策調査会「監査専門部会」専門委員に就任している。
2019年7月退所。

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