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【STEP4】関連当事者との取引の注記
有価証券報告書と計算書類において注記内容が異なるため、別に検討する必要がある。
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(1) 有価証券報告書における関連当事者との取引の注記
有価証券報告書においては、原則として個々の関連当事者ごとに以下の注記が必要となる(基準10、適用指針7~9、連結財務諸表規則15条の4の2①十)。また、関連当事者との取引の注記は4つのグループ(【STEP3】(1)①(ⅰ)~(ⅳ))順に並べて注記する(適用指針13)。
① 関連当事者の概要
[法人の場合]
・・・所在地、資本金(出資金)、事業の内容、関連当事者の議決権に対する連結財務諸表作成会社の所有割合又は、連結財務諸表作成会社の議決権に対する関連当事者の所有割合
[個人の場合]
・・・職業、連結財務諸表作成会社の議決権に対する関連当事者の所有割合
② 連結財務諸表作成会社と関連当事者との関係
③ 取引の内容。なお、形式的・名目的には第三者との取引である場合は、形式上の取引先名を記載した上で、実質的には関連当事者との取引である旨を記載する。
④ 取引の種類ごとの取引金額
⑤ 取引条件及び取引条件の決定方針
⑥ 取引により発生した債権債務に係る主な科目別の期末残高
⑦ 取引条件の変更があった場合は、その旨、変更内容及び当該変更が連結財務諸表に与えている影響の内容
⑧ 関連当事者に対する貸倒懸念債権及び破産更生債権等に係る情報(貸倒引当金残高、貸倒引当金繰入額、貸倒損失額等)。関連当事者の種類ごとに合算して記載することができる。
⑨ 関連当事者との取引に関して、貸倒引当金以外の引当金が設定されている場合において、注記することが適当と認められるものについては、⑧に準ずる事項
(※) 下線部分は、計算書類では注記は求められていないが、有価証券報告書においては、注記が求められている箇所である。
(2) 計算書類における関連当事者との取引の注記
計算書類においては、個々の関連当事者ごとに以下の注記が必要となる(規則112)。
① 関連当事者の概要
[法人の場合]
・・・名称、関連当事者の総株主の議決権の総数に占める計算書類作成会社の議決権の数の割合、計算書類作成会社の総株主の議決権の総数に占める関連当事者が有する議決権の数の割合
[個人の場合]
・・・氏名、計算書類作成会社の総株主の議決権の総数に占める関連当事者が有する議決権の数の割合
② 計算書類作成会社と関連当事者との関係
③ 取引の内容
④ 取引の種類別の取引金額
⑤ 取引条件及び取引条件の決定方針
⑥ 取引により発生した債権又は債務に係る主な項目別の当該事業年度の末日における残高
⑦ 取引条件の変更があったときは、その旨、変更の内容及び当該変更が計算書類に与えている影響の内容
上記(1)の(※)のとおり、計算書類における注記は、有価証券報告書における注記よりも少ない。
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以上、4のステップをまとめたフロー・チャートを再掲する。
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(了)
「フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 」は、毎月最終週に掲載されます。