公開日: 2017/03/16 (掲載号:No.210)
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計算書類作成に関する“うっかりミス”の事例と防止策 【第19回】「復配の翌年度に起きやすい注記ミス」

筆者: 石王丸 周夫

計算書類作成に関する

“うっかりミス”の事例と防止策

【第19回】

「復配の翌年度に起きやすい注記ミス」

 

公認会計士 石王丸 周夫

 

1 今回の事例

計算書類のドラフトにはうっかりミスがつきものです。
たとえば、こんなミスをよく見かけます。

【事例19-1】
配当に関する注記で記載事項が不足している。

(連結株主資本等変動計算書に関する注記)				 	・・・・・・・・			 3.剰余金の配当に関する事項				 				 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌期となるもの				    平成28年6月29日開催の定時株主総会の議案として、普通株式の配当に関する事項を次の				   とおり提案しております。				   ①配当金の総額                       152百万円				   ②1株当たり配当額                      5円				   ③基準日                      平成28年3月31日				   ④効力発生日                   平成28年6月30日				    なお、配当原資については、利益剰余金とすることを予定しております。

【事例19-1】は連結計算書類の連結注記表に記載される「連結株主資本等変動計算書に関する注記」の一部で、剰余金の配当に関する情報を抜き出したものです。

これ以外には、配当に関する記載はありませんでしたが、実は「不足している情報」があります。
何が足りないか、わかりますか?

この注記を何度も作成したことがある方は、「あれっ?」と感じるところがあると思います。
ただし、連結株主資本等変動計算書を合わせて見なければ、断定はできないでしょう。

そこで、この会社の連結株主資本等変動計算書(一部のみ)を以下に示します。

いかがでしょうか?
注記の不足部分を考えてみてください。

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“うっかりミス”の事例と防止策

【第19回】

「復配の翌年度に起きやすい注記ミス」

 

公認会計士 石王丸 周夫

 

1 今回の事例

計算書類のドラフトにはうっかりミスがつきものです。
たとえば、こんなミスをよく見かけます。

【事例19-1】
配当に関する注記で記載事項が不足している。

(連結株主資本等変動計算書に関する注記)				 	・・・・・・・・			 3.剰余金の配当に関する事項				 				 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌期となるもの				    平成28年6月29日開催の定時株主総会の議案として、普通株式の配当に関する事項を次の				   とおり提案しております。				   ①配当金の総額                       152百万円				   ②1株当たり配当額                      5円				   ③基準日                      平成28年3月31日				   ④効力発生日                   平成28年6月30日				    なお、配当原資については、利益剰余金とすることを予定しております。

【事例19-1】は連結計算書類の連結注記表に記載される「連結株主資本等変動計算書に関する注記」の一部で、剰余金の配当に関する情報を抜き出したものです。

これ以外には、配当に関する記載はありませんでしたが、実は「不足している情報」があります。
何が足りないか、わかりますか?

この注記を何度も作成したことがある方は、「あれっ?」と感じるところがあると思います。
ただし、連結株主資本等変動計算書を合わせて見なければ、断定はできないでしょう。

そこで、この会社の連結株主資本等変動計算書(一部のみ)を以下に示します。

いかがでしょうか?
注記の不足部分を考えてみてください。

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連載目次

計算書類作成に関する“うっかりミス”の事例と防止策

▷2015年掲載
▷2016年掲載
▷2017年掲載
▷2018年掲載
▷2020年掲載
▷2021年掲載
▷2022年掲載
▷2023年掲載
▷2024年掲載
▷2025年掲載
  • 【第47回】 うっかりミスが何度も繰り返される箇所を要チェック①~損益計算書の「法人税等調整額」~ 3/19公開
  • 【第48回】 うっかりミスが何度も繰り返される箇所を要チェック②~事業報告の「財産及び損益の状況」~ 3/27公開

筆者紹介

石王丸 周夫

(いしおうまる・のりお)

公認会計士
石王丸公認会計士事務所

1968年生まれ。
1991年、慶応義塾大学商学部卒業。
1990年から2004年まで、監査法人トーマツ(現有限責任監査法人トーマツ)にて会計監査実務に従事し、多くの企業を担当。
2004年に石王丸公認会計士事務所開業。現在は、監査や上場企業へのディスクロージャー・コンサルティングを中心に活動している。

【主な著作】
・『気候変動リスクと会社経営 はじめの一歩
・『経理財務担当者、士業のための 最短で導き出す分配可能額
・『パターン別 計算書類作成「うっかりミス」の防ぎ方
・『会社の姿が浮かびあがるカンタン経営分析 決算書あぶり出し分析法』(以上、清文社)

   

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