[5] 事業税の税率の改正
都市・地方の持続可能な発展のための地方税体系の構築を目的として、事業税の一部を分離して特別法人事業税を創設することになった。具体的には、令和元年(2019年)10月1日以後に開始する事業年度から、事業税の税率(所得割及び収入割に限る)を引き下げるとともに、標準税率により計算した事業税額(所得割額)を課税標準とした特別法人事業税を課すことになった(地法72の24の7①②③。特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律(平成31年法律第4号))。
この事業税と特別法人事業税については、現行の事業税と地方法人特別税の計算の仕組みと同じであり、税率の内訳は異なることになるが、合計した事業税の税率と法定実効税率はほとんど変わらないため、実務に与える影響はほとんどないだろう。
改正前後の法定税率と法定実効税率について、以下に【税率の一覧表】を示しておく。
なお、東京都については、この改正を盛り込んだ「東京都都税条例等の一部を改正する条例」(令和元年東京都条例第4号)が、令和元年第2回東京都議会定例会において可決され、令和元年6月26日に公布されているが、東京都は、現行の超過課税の規模を変更しない(現行の標準税率と超過税率の差分をそのまま、税制改正後の標準税率に加算する)こととしている。
【法定税率と法定実効税率の一覧表】
※画像をクリックすると別ページで拡大して表示されます。
〔凡例〕
法法・・・法人税法
法令・・・法人税法施行令
地方法法・・・地方法人税法
地法・・・地方税法
措法・・・租税特別措置法
措令・・・租税特別措置法施行令
平成31年所法等改正法・・・所得税法等の一部を改正する法律(平成31年法律第6号)
(例)法法57⑪三・・・法人税法57条11項3号
(了)
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