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連結納税適用法人のための平成27年度税制改正 【第5回】「受取配当等の益金不算入制度の見直し」

筆者:足立 好幸

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連結納税適用法人のための

平成27年度税制改正

【第5回】

「受取配当等の益金不算入制度の見直し」

 

公認会計士・税理士
税理士法人トラスト パートナー
足立 好幸

 

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[6] 連結納税適用法人に係る受取配当等の益金不算入制度の見直し

1 改正内容

(1) 受取配当等の益金不算入制度の見直し

連結納税制度に係る受取配当等の益金不算入制度について、次の見直しを行う(法法81の4①④⑤⑥⑦)。

※画像をクリックすると、別ページで拡大表示されます。

(注1) 「株式等」とは株式又は出資をいう(以下、[6]で同じ)

(注2) 「公社債投資信託以外の証券投資信託の収益の分配の額」については、その全額を益金算入(改正前は、収益の分配の額の2分の1又は4分の1の金額の50%相当額を益金不算入)とする(法法23①、旧法法23①、旧法令19①)。

(注3) 平成27年4月1日以後に受ける「投資信託及び投資法人に関する法律第137条(金銭の分配)の金銭の分配(出資総額等の減少に伴う金銭の分配として財務省令で定めるもの(出資等減少分配)を除く)の額」を益金不算入の対象となる配当等の額とする(法法23①、平成27年所法等改正法附則23)。

 

(2) 株式等の区分の定義

完全子法人株式等、関連法人株式等、その他の株式等、非支配目的株式等の定義は次のとおりである(法法81の4①⑤⑥⑦、法令155の9①②、155の10①②、155の10の2)。

なお、連結納税適用法人については、単体納税と異なり、連結法人全体で持株割合の判定を行うこととなる。

① 完全子法人株式等

完全子法人株式等の定義は改正前と変わっておらず、完全子法人株式等とは、配当等の額の計算期間の初日からその計算期間の末日まで継続して配当等の額を受ける連結法人と配当等の額を支払う他の内国法人との間に完全支配関係があった場合の当該他の内国法人の株式等をいう。

また、その支払を受ける配当等の額が法人税法第24条第1項のみなし配当の額であるときは、完全子法人株式等とは、その支払に係る効力が生ずる日の前日においてその連結法人と当該他の内国法人との間に完全支配関係があった場合の当該他の内国法人の株式等とする。

ここで、計算期間とは、その配当等の額の支払を受ける直前にその配当等の額を支払う他の内国法人により支払われた配当等の額(適格現物分配に係るものを含む)の支払に係る基準日の翌日(次の各号に掲げる場合には、各号に定める日)からその支払を受ける配当等の額の支払に係る基準日までの期間をいう。

一 その直前の配当等の基準日の翌日がその支払を受ける配当等の額の支払に係る基準日から起算して1年前の日以前の日である場合又はその支払を受ける配当等の額がその1年前の日以前に設立された他の内国法人からその設立の日以後最初に支払われる配当等の額である場合(第3号に掲げる場合を除く)
⇒ その1年前の日の翌日

二 その支払を受ける配当等の額がその支払に係る基準日以前1年以内に設立された他の内国法人からその設立の日以後最初に支払われる配当等の額である場合(第3号に掲げる場合を除く)
⇒ その設立の日

三 その支払を受ける配当等の額がその配当等の額の元本である株式等を発行した他の内国法人からその支払に係る基準日以前1年以内に取得したその元本である株式等につきその取得の日以後最初に支払われる配当等の額である場合
⇒ その取得の日

② 関連法人株式等

関連法人株式等は改正によって新たに区分された株式等であるが、関連法人株式等とは、連結法人(その連結法人との間に連結完全支配関係がある他の連結法人を含む)が、他の内国法人の発行済株式又は出資(当該他の内国法人が有する自己の株式等を除く。「発行済株式等」という)の総数又は総額の3分の1を超える数又は金額の当該他の内国法人の株式等を、その連結法人が当該他の内国法人から受ける配当等の額の計算期間の初日から計算期間の末日まで引き続き有している場合おける当該他の内国法人の株式等(完全子法人株式等を除く)をいう。

ここで、計算期間とは、その配当等の額の支払を受ける直前にその配当等の額を支払う他の内国法人により支払われた配当等の額(適格現物分配に係るものを含む)の支払に係る基準日の翌日(次の各号に掲げる場合には、各号に定める日)からその支払を受ける配当等の額の支払に係る基準日(法人税法第24条第1項のみなし配当(同項第3号に規定する資本の払戻しに係る部分を除く)の額であるときは、その支払に係る効力が生ずる日の前日)までの期間をいう。

一 その直前の配当等の基準日の翌日がその支払を受ける配当等の額の支払に係る基準日から起算して6月前の日以前の日である場合又はその支払を受ける配当等の額がその6月前の日以前に設立された他の内国法人からその設立の日以後最初に支払われる配当等の額である場合(第3号に掲げる場合を除く)
⇒ その6月前の日の翌日

二 その支払を受ける配当等の額がその支払に係る基準日以前6月以内に設立された他の内国法人からその設立の日以後最初に支払われる配当等の額である場合(第3号に掲げる場合を除く)
⇒ その設立の日

三 その支払を受ける配当等の額がその配当等の額の元本である株式等を発行した他の内国法人からその支払に係る基準日以前6月以内に取得したその元本である株式等につきその取得の日以後最初に支払われる配当等の額である場合
⇒ その取得の日

③ その他の株式等

その他の株式等は、完全子法人株式等、関連法人株式等及び非支配目的株式等のいずれにも該当しない株式等をいう。

④ 非支配目的株式等

非支配目的株式等は改正によって新たに区分された株式等であるが、非支配目的株式等とは、連結法人(その連結法人との間に連結完全支配関係がある他の連結法人を含む)が他の内国法人の発行済株式又は出資(当該他の内国法人が有する自己の株式等を除く)の総数又は総額の100分の5以下に相当する数又は金額の当該他の内国法人の株式等を、連結法人が当該他の内国法人から受ける配当等の額の支払に係る基準日(法人税法第24条第1項のみなし配当(同項第3号に規定する資本の払戻しに係る部分を除く)の額であるときは、その支払に係る効力が生ずる日の前日)において有する場合における当該他の内国法人の株式等(完全子法人株式等を除く)をいう。

この点、完全子法人株式等及び関連法人株式等は、計算期間中の継続保有が要件となるが、この非支配目的株式等は基準日時点での保有が要件となる。

(3) 受取配当金の益金不算入額の計算

連結納税は、法人ごとに株式等の区分ごとの益金不算入額を計算する単体納税と異なり、連結グループ全体で株式等の区分ごとに益金不算入額の計算を行い、各連結法人の配当発生額に基づき個別帰属額を計算することとなる(法法81の4①④⑨、法令155の8、155の11)。

【1】 株式等の区分ごとの受取配当金の益金不算入額の計算方法

① 完全子法人株式等
完全子法人株式等の益金不算入額の計算方法は次のとおりである。

益金不算入額=受取配当の額×100%

② 関連法人株式等
関連法人株式等の益金不算入額の計算方法は次のとおりである。

益金不算入額=(受取配当の額-負債利子の額)×100%

③ その他の株式等
その他の株式等の益金不算入額の計算方法は次のとおりである。

益金不算入額=受取配当の額×50%

④ 非支配目的株式等
非支配目的株式等の益金不算入額の計算方法は次のとおりである。

益金不算入額=受取配当の額×20%

【2】 負債利子控除額の計算

受取配当金の益金不算入額の計算において、負債利子を控除するのは、改正前は関係法人株式等及びその他の株式等であったが、改正後は関連法人株式等のみが負債利子を控除することとなる。

そして、連結納税では、各法人ごとに計算する単体納税と異なり、連結納税グループ全体を1つの法人として各連結法人の数値を合計して負債利子控除額を計算することとなる。

また、単体納税と異なり、負債利子には連結法人へ支払った負債利子は含めず、総資産の帳簿価額からは他の連結法人に支払う負債利子の元本である負債を控除して計算する。

負債利子控除額= (連結グループ全体の当期の負債利子 - 他の連結法人に対する当期の負債利子)  当連結事業年度末及び前連結事業年度末における 連結グループ全体の期末関連法人株式等の税務簿価 × 当連結事業年度末及び前連結事業年度末の 連結グループ全体の総資産の帳簿価額

上記のうち、分母及び分子の「前連結事業年度」は、最初連結事業年度以後の連結事業年度に限る。つまり、単体納税の事業年度は該当せず、連結納税開始事業年度においては、当連結事業年度末の金額のみで分母及び分子を計算することとなる。

また、上記のうち、分母となる「当連結事業年度末及び前連結事業年度末の連結グループ全体の総資産の帳簿価額の合計額」は、各連結法人の確定した決算に基づく貸借対照表に計上されている総資産の帳簿価額を合計したものをいい、次の及びの金額を減算することとなる。

① 他の連結法人に支払う負債の利子の元本である負債の額に相当する金額

② 固定資産の積立金、特別償却準備金、土地再評価差額金等

この点、改正前は、「その他有価証券」の「評価益等相当額」については総資産の帳簿価額から減算し、「評価損等相当額」については加算することとしていたが、改正後の関連法人株式等の負債利子控除額の計算においては、この加減算が不要となる。

さらに、上記のうち、分子となる「期末関連法人株式等」とは、連結法人が他の内国法人の発行済株式等の総数又は総額の3分の1を超える数又は金額の当該他の内国法人の株式等を、連結事業年度終了の日の6月前の日の翌日(当該他の内国法人がその翌日後に設立された法人である場合には、当該他の内国法人の設立の日)からその連結事業年度終了の日まで引き続き有している場合の当該他の内国法人の株式等(期末完全子法人株式等を除く)をいう。

ここで、期末完全子法人株式等とは、連結法人が他の内国法人との間に連結事業年度開始の日(当該他の内国法人がその連結事業年度の中途において設立された法人である場合には、当該他の内国法人の設立の日)からその連結事業年度終了の日まで継続して完全支配関係があった場合の当該他の内国法人の株式等をいう。

(4) 受取配当金の益金不算入額の個別帰属額の計算

連結納税では、連結グループ全体を一つの法人として全体計算を行った受取配当金の益金不算入額を、株式等の区分ごとに各連結法人の受取配当金の金額を基準に各連結法人へ配分する(法法81の4⑨、法令155の11)。

この点、改正によって計算方法に変更はなく、次のように、改正後の株式等の区分ごとに、各連結法人の配当発生額に基づき個別帰属額を計算することとなる。

配当金の種類 個別帰属額の計算方法 完全子法人株式等 その連結法人の完全子法人株式等に係る受取配当金 関連法人株式等 関連法人株式等に係る受取配当金の益金不算入額 × その連結法人の関連法人株式等に係る 受取配当金 各連結法人の関連法人株式等に係る 受取配当金の合計額  その他の株式等 その他の株式等に係る受取配当金の益金不算入額 × その連結法人のその他の株式等に係る 受取配当金 各連結法人のその他の株式等に係る 受取配当金の合計額  非支配目的株式等 非支配目的株式等に係る受取配当金の益金不算入額 × その連結法人の非支配目的株式等に係る 受取配当金 各連結法人の非支配目的株式等に係る 受取配当金の合計額

 

2 適用時期

連結親法人事業年度が平成27年4月1日以後に開始する連結事業年度について適用される(平成27年所法等改正法附則29)。

(了)

この連載の公開日程は、下記の連載目次をご覧ください。

連載目次

税制改正における『連結納税制度』改正事項の解説 

▷平成31年度税制改正(全8回)

▷平成30年度税制改正(全9回)

▷平成29年度税制改正(全9回)

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【第1回】 非特定連結子法人の時価評価資産の対象範囲の見直し

はじめに

[1] 非特定連結子法人の時価評価資産の対象範囲の見直し

1 改正内容

2 『自己創設営業権』の評価問題が解消!

3 連結納税開始日・加入日が平成29年10月1日の場合は旧税制が適用に!

4 どうせ時価課税されるなら、合併で時価譲渡になる方がいいのか、スクイーズアウトで時価評価される方がいいのか?(時価課税の有利・不利)

【第2回】 スクイーズアウトにおける特定連結子法人の範囲の拡大

[2] スクイーズアウトにおける特定連結子法人の範囲の拡大

1 改正内容

2 連結納税の不利益を受けずに少数株主排除が可能に!

3 連結納税開始日が平成29年10月1日以後であっても、株式交換等が平成29年9月30日以前に行われた場合は旧税制が適用される!

4 全部取得条項付種類株式方式又は株式併合方式により連結納税に加入した場合、「完全支配関係を有することとなった日」はいつになるのか?

【第3回】 研究開発税制の見直し

[3] 研究開発税制の見直し

【第4回】 所得拡大促進税制の見直し他

[4] 所得拡大促進税制の見直し

[5] 役員給与等の見直し

[6] 地域未来投資促進税制の創設

【第5回】 中小企業者向け設備投資促進税制の拡充(その1)

[7] 中小企業者向け設備投資促進税制の拡充

1 中小企業経営強化税制の創設

【第6回】 中小企業者向け設備投資促進税制の拡充(その2)

2 中小企業投資促進税制の見直しと適用期限の延長

3 商業・サービス業活性化税制の適用期限の延長

【第7回】 中小企業者向け租税特別措置の適用法人の制限、災害特例措置

[8] 震災・災害に関する税制措置の整備

[9] 中小企業者向け租税特別措置の適用法人の制限

【第8回】 連結法人の申告期限の延長の見直し

[10] 連結法人の申告期限の延長の見直し

1 法人税の申告期限の延長について

2 事業税の申告期限の延長について

【第9回】 地方税率の改正時期の変更他

[11] 地方税率の改正時期の変更

[12] 組織再編税制に係る改正

[13] タックス・ヘイブン税制の総合的見直し

▷平成28年度税制改正(全12回)

※クリックすると表示されます

【第1回】 法人税率等の改正

~はじめに~

[1] 連結法人税、連結地方法人税、住民税、事業税の税率の改正

【第2回】 欠損金の繰越控除制度の見直し

[2] 連結欠損金の繰越控除制度の見直し

[3] 事業税に係る繰越欠損金の繰越控除制度の見直し

[4] 控除対象個別帰属調整額及び控除対象個別帰属税額の繰越控除制度の見直し

【第3回】 減価償却制度の見直し

[5] 減価償却制度の見直し

【第4回】 役員給与の見直し

[6] 役員給与の見直し

【第5回】 雇用促進税制の見直し

[7] 雇用促進税制の見直し

【第6回】 地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の創設

[8] 地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の創設

【第7回】 組織再編関連税制の見直し

[9] 適格現物出資の見直し

[10] 組織再編税制の見直し

【第8回】 移転価格文書化制度(その1)

[11] 移転価格文書化制度

1 多国籍企業グループの移転価格文書化制度

(1) 国別報告書

【第9回】 移転価格文書化制度(その2)

(2) マスターファイル(事業概況報告事項)

【第10回】 移転価格文書化制度(その3)

(3) ローカルファイル(独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類)

2 国外事業所等との内部取引に係る移転価格文書化制度

【第11回】 日台民間租税取決めに規定された内容の実施に係る国内法の整備

[12] 日台民間租税取決めに規定された内容の実施に係る国内法の整備

【第12回】 その他国際税務の改正・固定資産税の特例措置

[13] 外国子会社合算税制(タックス・ヘイブン税制)の見直し

[14] 国際課税原則の帰属主義への変更の円滑な実施

[15] 機械装置の固定資産税の特例措置の創設

▷平成27年度税制改正(全12回)

※クリックすると表示されます

【第1回】 法人税率の引下げ

~はじめに~

[1] 連結法人税率の引下げ

【第2回】 欠損金の繰越控除制度の見直し(その1)

[2] 連結欠損金の控除限度額の段階的引下げ

(1) 連結欠損金の控除限度額の段階的引き下げ

(2) 連結所得金額の100%を控除限度額とする特例

① 中小法人等

② 経営再建中の法人

【第3回】 欠損金の繰越控除制度の見直し(その2)

③ 新設法人

【第4回】 欠損金の繰越控除制度の見直し(その3)

[3] 連結欠損金の繰越期間の延長

[4] 事業税に係る繰越欠損金の繰越控除制度の見直し

[5] 控除対象個別帰属調整額及び控除対象個別帰属税額の繰越控除制度の見直し

【第5回】 受取配当等の益金不算入制度の見直し

[6] 連結納税適用法人に係る受取配当等の益金不算入制度の見直し

【第6回】 研究開発税制の見直し

[7] 連結納税適用法人に係る研究開発税制の見直し

【第7回】 地方拠点強化税制の創設(その1)

[8] 連結納税適用法人に係る地方拠点強化税制の創設

(1) 改正の概要

(2) 地方拠点建物等の取得費の特例措置

【第8回】 地方拠点強化税制の創設(その2)

(3) 雇用促進税制の拡充

【第9回】 特定資産の買換えの場合の課税の特例の縮減・延長

[9] 特定資産の買換えの場合の課税の特例の縮減・延長

【第10回】 所得拡大促進税制・その他の租税特別措置法上の見直し

[10] 連結納税適用法人に係る所得拡大促進税制の見直し

[11] その他の租税特別措置法上の見直し

【第11回】 事業税の改正

[12] 連結納税適用法人に係る事業税の改正

【第12回】 国際税務の改正

[13] 連結納税適用法人に係る国際税務の改正

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