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【STEP2】契約における履行義務の識別
IFRS15では、収益認識は履行義務単位で行う。ここでは、契約においていくつの財又はサービスを約束しているか(履行義務があるか)を検討する。
顧客に約束している財又はサービスが、以下の要件の両方に該当する場合には、別個の履行義務であるとする(意見募集204~206)。
(1)
顧客がその財又はサービスからの便益を、それ単独で得ることができる又は顧客にとって容易に利用可能な他の資源と組み合わせて得ることができる(すなわち、 当該財又はサービスが別個のものとなり得る)。
⇒ 顧客が、財又はサービスを使用する、消費する、スクラップ価値よりも高い金額で売却する、又は、経済的便益を生み出す他の方法で保有することができる場合には、上記の要件を満たす。
⇒ 「容易に利用可能な他の資源」とは、(当該企業又は別の企業が)独立に販売している財又はサービス、あるいは顧客が既に当該企業から得ている資源又は他の取引若しくは事象から得ている資源である。
(2)
財又はサービスを顧客に移転するという企業の約束が、契約の中の他の約束と区分して識別可能である(言い換えると、 当該財又はサービスを移転する約束が契約の観点において別個のものである)。
(1)は財又はサービスの性質の観点から別個のものとなることが可能かどうかについて検討する要件であり、(2)は契約の観点から財又はサービスを移転する約束が別個のものであるかどうかについて検討する要件である(意見募集204)。
【補足ポイント:一連の別個の財又はサービスの場合】
別個の財又はサービスであるとしても、その内容がほぼ同一で、かつ、顧客への移転のパターンが同じである一連の財又はサービスについては、これらを単一の履行義務として会計処理する。
「顧客への移転のパターンが同じ」とは、一連の別個の財又はサービスが、以下の要件の両方に該当する場合である(意見募集207)。