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金融・投資商品の税務Q&A 【Q26】「外国籍会社型投資法人の投資口について資本の払戻しがあった場合の取扱い」

筆者:箱田 晶子

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金融投資商品税務

【Q26】

「外国籍会社型投資法人の投資口について

資本の払戻しがあった場合の取扱い」

 

PwC税理士法人
金融部 パートナー
税理士 箱田 晶子

 

[Q]

私(居住者たる個人)は外国証券取引所に上場する外国籍会社型ファンド(外国投資法人)の投資口を保有していますが、このたび当該ファンドから資本の払戻しを伴う分配金(return of capital)を受け取りました。このreturn of capitalについては税務上どのように取り扱われますか。

なお、私はこの投資口を国内証券会社の国内口座(特定口座以外)で保管しており、分配金は当該証券会社経由で受け取ります。

[A]

資本の払戻しを伴う分配金(return of capital)により、投資主である個人にみなし配当及び譲渡損益が発生する可能性があります。

検 討

1 資本の払戻しの取扱い

株主が法人から金銭の分配を受け取る場合、それがどういった事象によるものなのか、原資は何か等により、課税関係が異なります。

税務上、資本剰余金の減少を伴う剰余金の配当は「資本の払戻し」として取り扱われます。その場合、一部がみなし配当として取り扱われる可能性があります。

本件の資本の払戻しを伴う分配金(return of capital)が、発行会社の資本剰余金の減少を伴う場合、以下の通りみなし配当及びみなし譲渡損益が発生する可能性があります。

 

2 みなし配当の計算

みなし配当は、資本の払戻しにより交付を受ける金銭及び金銭以外の資産の価額の合計額のうち、資本の払戻しを行った法人(以下、「払戻法人」)の当該払戻し直前の対応資本金等の額を超える部分の金額、とされています。

すなわち、みなし配当の金額は、簡易な式にすると以下のように計算されます。

みなし配当=	資本の払戻しにより交付を受ける金銭及び金銭以外の資産の価額の合計額	 -	資本金等の額のうちその交付の基因となった当該法人の株式に対応する部分の金額〈*〉

払戻しにより減少した資本剰余金の額 (当該金額が分母の金額を超える場合には分母の金額) 払戻しの日の属する事業年度の前事業年度末の資産の帳簿価額から負債の帳簿価額を控除した金額(注)

(※)一定割合 = 払戻しにより減少した資本剰余金の額 (当該金額が分母の金額を超える場合には分母の金額) 払戻しの日の属する事業年度の前事業年度末の資産の帳簿価額から負債の帳簿価額を控除した金額(注)

(注) 前期末から当該資本の払戻しの直前の時までの間に税務上の資本金等の増減がある場合にはその金額を加減算した金額

なお、資本の払戻しを行う法人は、投資家に対して上記割合を通知する義務を負います。

 

3 みなし譲渡損益の計算

資本の払戻し金額のうち、みなし配当とされる金額以外は、株式に係る譲渡収入として取り扱われます。

投資家は譲渡損益を計算するために譲渡原価を計算しなければなりません。資本の払戻しの際の譲渡原価は以下の通り計算されます。

譲渡原価の額

= 資本の払戻し直前の株式の帳簿価額 × 一定割合(※)

 

4 みなし配当及びみなし譲渡損益の課税関係

本件の投資口は上場投資法人の投資口であり、上場株式等に該当します。

① みなし配当

みなし配当については配当所得として取り扱われます。国外発行の上場株式の配当を国内における支払の取扱者経由で受け取る場合、配当について支払の取扱者による源泉徴収がなされます。税率は、配当の20.315%(所得税及び復興特別所得税15.315%、住民税5%)です。配当の金額にかかわらず、源泉徴収で課税関係を完結することができます。その場合、上場株式等に係る一定の譲渡損との損益通算の適用を行うことはできません。

また、申告をすることも可能です。申告する場合は、選択により、上場株式等の配当所得等として申告分離課税20.315%(所得税及び復興特別所得税15.315%、住民税5%)、又は総合課税が適用されます。申告分離課税を選択した場合、上場株式等に係る一定の譲渡損との損益通算等が可能です。

② 譲渡損益

上場株式等の譲渡所得等の金額とされる金額については、他の所得と区分し、申告分離課税(所得税及び復興特別所得税15.315%、住民税5%)が適用されます。上場株式等の配当所得との損益通算や3年間の損失繰越の適用も可能です。

 

【参考(関連条文)】
所法第24条、第25条
所令第61条第2項第3号
措法第37条の10第3項第3号、第37条の11第3項

(了)

この連載の公開日程は、下記の連載目次をご覧ください。

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金融・投資商品の税務Q&A

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筆者紹介

  • 箱田 晶子

    (はこだ・あきこ)

    PwC税理士法人 金融部 パートナー。 税理士。

    金融機関、ファンド等に対し、内外の投資信託、仕組債、リッパケージローン等の金融商品に関する税務上のアドバイス、クロスボーダーのファンド投資ストラクチャー組成に関する税務コンサルティングサービスを数多く行っている。

    【主な共著書】
    ・『金融・投資商品の税務Q&A』共著(清文社)
    ・『逐条解説投資信託約款』共著(金融財政事業研究会)
    ・『投資ストラクチャーの税務(九訂版)』共著(税務経理協会)
    ・『信託の税務』共著(税務経理協会)
    ・『法人税重要事例400』共著(税務研究会)

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