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[無料公開中]金融・投資商品の税務Q&A 【Q37】「金取引を行った場合の課税関係」

筆者:箱田 晶子

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金融投資商品税務

【Q37】

「金取引を行った場合の課税関係」

 

PwC税理士法人
金融部 パートナー
税理士 箱田 晶子

 

[Q]

私(居住者たる個人)は、数年前に購入し保有していた金(現物)を国内で譲渡したところ、譲渡益が発生しました。この譲渡益についてどのように課税されますか。

なお、私は営利を目的として継続的に金地金の売買をしているものではありません。

[A]

金(現物)の譲渡により生じた益は、事業目的や営利目的で継続的に金の売買を行っているものでない限り、一般の譲渡所得等として総合課税の対象となります。所有期間が5年以内か5年超かにより、譲渡所得の金額の計算方法が異なります。

検 討

1 所得税の取扱い

給与所得者などの個人が保有している金地金を売却した場合の所得は、営利を目的として継続的に金地金の売買をしているものではない限り、原則、一般の譲渡所得として課税され、給料など他の所得と合わせて総合課税の対象になります。原則として確定申告が必要となります。

譲渡益の額は、以下のように計算されます。

譲渡益 = 売却価額 -(取得価額 + 売却費用)

その年の譲渡益(他の総合課税の譲渡益も含む)から、譲渡所得の特別控除(限度額50万円)を控除した金額が一般の譲渡所得として総合課税の対象となり、累進税率にて課税されます。

なお、所有期間が5年超の場合、長期の譲渡所得として、特別控除後の譲渡所得の金額の1/2が課税標準として総合課税の対象となります。

また、長期の譲渡益と短期の譲渡益の両方の譲渡益がある場合には、特別控除額は両方合わせて50万円が限度となり、短期の譲渡益から先に控除します。

 

2 消費税の取扱い

金地金の売買を国内において行う場合には、消費税8%が課されます。

個人が消費税法上の課税事業者(当該個人の2年前の課税売上高が1,000万円以上や課税事業者選択届を届け出ている場合等一定の場合)に該当しない限り、個人に消費税の納税義務は発生しません。

この場合、上記の所得税法上の譲渡益の計算は、消費税込の売却金額で計算することになります。

 

【参考(関連条文)】
所法第22条、第33条
消法第4条

(了)

この連載の公開日程は、下記の連載目次をご覧ください。

連載目次

金融・投資商品の税務Q&A

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【Q31】~

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筆者紹介

  • 箱田 晶子

    (はこだ・あきこ)

    PwC税理士法人 金融部 パートナー。 税理士。

    金融機関、ファンド等に対し、内外の投資信託、仕組債、リッパケージローン等の金融商品に関する税務上のアドバイス、クロスボーダーのファンド投資ストラクチャー組成に関する税務コンサルティングサービスを数多く行っている。

    【主な共著書】
    ・『金融・投資商品の税務Q&A』共著(清文社)
    ・『逐条解説投資信託約款』共著(金融財政事業研究会)
    ・『投資ストラクチャーの税務(九訂版)』共著(税務経理協会)
    ・『信託の税務』共著(税務経理協会)
    ・『法人税重要事例400』共著(税務研究会)

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