《速報解説》
相続時精算課税との併用を認める等、事業承継税制の要件緩和
~平成29年度税制改正大綱~
エアーズ税理士法人
税理士 瀧尻 将都
1 はじめに
平成28年12月8日に与党(自由民主党及び公明党)より平成29年度税制改正大綱が公表され、22日に閣議決定された。以下では、大綱で示された事業承継税制の要件緩和について解説を行う。
2 改正の背景
与党大綱の冒頭「第一 平成29年度税制改正の基本的な考え方」では、事業承継税制の見直しについて、次のように説明されている。
非上場株式等に係る相続税等の納税猶予制度、いわゆる事業承継税制については、平成25年度税制改正において雇用確保要件に見直し等を行った結果、平成27年の認定件数は改正前に比べ約3倍となっている。他方、中小企業経営者の高齢化が進行していること等を踏まえれば、早期かつ計画的な事業承継の更なる促進が重要であり、今般、制度を更に使いやすくするために見直しを行う。
同制度は、平成25年度の税制改正の要件緩和に伴い、平成27年度の認定件数は増加したものの、平成27年度の認定件数の推計は456件(平成28年8月 経済産業省「平成29年度税制改正に関する経済産業省要望」より)程度であり、同制度のさらなる利用促進と利便性の向上を図る必要があった。
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