公開日: 2019/08/22 (掲載号:No.332)
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M&Aに必要なデューデリジェンスの基本と実務-法務編- 【第9回】「改正民法とM&A契約の関係」

筆者: 高橋 康平

に必要な

デューデリジェンス基本実務

-法務編-

 

弁護士法人ほくと総合法律事務所
弁護士 高橋 康平

 

 

《第8章》
-改正民法とM&A契約の関係-

【第9回】

「改正民法とM&A契約の関係」

 

1 はじめに

法務編【第8回】の冒頭で記載したとおり、法務デューデリジェンスの目的は、M&Aの取引実行可否を判断するために、対象会社に関する法的問題点(Legal Risk)全般を洗い出すことにある。

そして、法務デューデリジェンスの結果を踏まえて、買主側が取引を実行するという判断に至った場合、法務デューデリジェンスを担当した弁護士は、往々にしてM&A契約(株式譲渡、事業譲渡等)のドラフティングを依頼されることがある。そのため、法務デューデリジェンスを担当する弁護士は、法務デューデリジェンスを進める過程においても、M&Aストラクチャーの選択や契約条件などを意識することが有用であることも既述のとおりである。

言い換えれば、法務デューデリジェンスの究極目標は、発見された法的問題点(Legal Risk)等(法的問題点に限らず、財務デューデリジェンスやビジネスデューデリジェンスの結果、発見された問題点も含む)をM&A契約においていかに低減させ、成功に導くかという観点が重要であるということになろう。それを達成するツールが「M&A契約」であり、そういう意味では契約が最も重要ともいえる。

一方で、ご存知のとおり、民法のうち債権関係の規定を改正する民法の一部を改正する法律(以下「改正民法」という)が、平成29年6月2日に公布され、令和2年(2020年)4月1日から施行される。そのため、M&A契約における主要な条項のうちいくつかも、改正民法の影響を受けることになる。

本項では、改正民法とM&A契約の関係について、ポイントを絞ってご紹介する。

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-法務編-

 

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《第8章》
-改正民法とM&A契約の関係-

【第9回】

「改正民法とM&A契約の関係」

 

1 はじめに

法務編【第8回】の冒頭で記載したとおり、法務デューデリジェンスの目的は、M&Aの取引実行可否を判断するために、対象会社に関する法的問題点(Legal Risk)全般を洗い出すことにある。

そして、法務デューデリジェンスの結果を踏まえて、買主側が取引を実行するという判断に至った場合、法務デューデリジェンスを担当した弁護士は、往々にしてM&A契約(株式譲渡、事業譲渡等)のドラフティングを依頼されることがある。そのため、法務デューデリジェンスを担当する弁護士は、法務デューデリジェンスを進める過程においても、M&Aストラクチャーの選択や契約条件などを意識することが有用であることも既述のとおりである。

言い換えれば、法務デューデリジェンスの究極目標は、発見された法的問題点(Legal Risk)等(法的問題点に限らず、財務デューデリジェンスやビジネスデューデリジェンスの結果、発見された問題点も含む)をM&A契約においていかに低減させ、成功に導くかという観点が重要であるということになろう。それを達成するツールが「M&A契約」であり、そういう意味では契約が最も重要ともいえる。

一方で、ご存知のとおり、民法のうち債権関係の規定を改正する民法の一部を改正する法律(以下「改正民法」という)が、平成29年6月2日に公布され、令和2年(2020年)4月1日から施行される。そのため、M&A契約における主要な条項のうちいくつかも、改正民法の影響を受けることになる。

本項では、改正民法とM&A契約の関係について、ポイントを絞ってご紹介する。

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連載目次

M&Aに必要なデューデリジェンスの基本と実務

▷法務編

《第1章》 会社組織

《第2章》 株式及び株主

《第3章》 業務関連主要契約

《第4章》 不動産

《第5章》 労務

《第6章》 許認可・法規制

《第7章》 ストラクチャー及び契約条件

《第8章》 改正民法とM&A契約の関係

▷財務・税務編

《第1章》 実態純資産の分析

第1節 純有利子負債の分析

第2節 運転資本の分析

第3節 固定資産の分析

第4節 投融資の分析

第5節 労働債務の分析

第6節 偶発債務・後発事象の分析

第7節 関連当事者取引

第8節 税務関連項目の調査

第9節 検出事項の評価

《第2章》 収益力の把握と事業計画の検討

第1節 事業環境の分析

第2節 収益性の分析

第3節 コスト構造の分析

第4節 正常収益力の把握

第5節 事業計画の検討

筆者紹介

高橋 康平

(たかはし・こうへい)

弁護士/ほくと総合法律事務所
http://www.hslo.jp/lawyers/tokyo_takahashi.html

慶應義塾大学法学部政治学科を卒業、大阪大学大学院高等司法研究科を修了した後、2008年弁護士登録。株式会社ドン・キホーテ(現・株式会社ドンキホーテホールディングス)の社内弁護士を経て2011年弁護士法人ほくと総合法律事務所に入所。
衆議院議員秘書を3年間務めた経験を活かし、危機管理・不祥事対応・コンプライアンス(不正調査を含む。)、倒産・事業再生、M&A分野を主要に取り扱い、紛争処理や訴訟対応も多く手掛ける。近年は民事信託や仮想通貨問題など最新分野の研究も行っている。


《事務所紹介》
弁護士法人ほくと総合法律事務所
東京・札幌・旭川にオフィスを展開し、弁護士総数20名を擁する。取扱い業務は企業法務全般に及び、特にM&A・組織再編や事業再生案件では、案件規模・業種・スキームを問わず、多くの実績を持つ。

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