公開日: 2021/08/19 (掲載号:No.432)
文字サイズ

Q&Aでわかる〈判断に迷いやすい〉非上場株式の評価 【第25回】「〔第5表〕死亡退職金及び保険差益に対する法人税額等の計上」

筆者: 柴田 健次

Q&Aでわかる

〈判断に迷いやすい〉非上場株式評価

【第25回】

「〔第5表〕死亡退職金及び保険差益に対する法人税額等の計上」

 

税理士 柴田 健次

 

甲株式会社の代表取締役である甲が令和3年8月に死亡しました。甲の死亡に伴い、生命保険金を甲株式会社が受け取り、その一部を原資として死亡退職金及び弔慰金を支払っている場合における甲株式会社の第5表「1株当たりの純資産価額(相続税評価額)の計算明細書」の資産の部及び負債の部に計上する相続税評価額及び帳簿価額はそれぞれいくらになるのでしょうか。

なお、純資産価額の計算においては、直前期末方式(直前期末の資産及び負債の帳簿価額に基づき評価する方式)により計算するものとします。

〇保険に関する事項

直前期末の甲株式会社の保険積立金は60,000千円であり、その内訳は下記の通りです。

 代表取締役甲を被保険者とする生命保険契約の積立金:50,000千円

甲の死亡に伴い、甲株式会社に生命保険金100,000千円が支払われています。なお、甲の直前期末時点の解約返戻金は90,000千円です。

 甲以外の取締役、従業員を被保険者とする生命保険契約の積立金:10,000千円

甲の直前期末時点の解約返戻金は7,000千円です。

〇退職金及び弔慰金に関する事項

甲の死亡に伴い、死亡退職金20,000千円、弔慰金6,000千円(役員報酬月額の6ヶ月分)を相続人に支給しています。なお、甲の死因は、業務上以外の事由に基づくものです。

〇会社に関する事項

甲株式会社の直前期末における法人税の申告書別表七(一)に記載されている欠損金の翌期控除額は4,000千円です。

〔追記:2024/8/7〕
上記赤文字部分について、本稿公開時は「相続開始時点」となっていましたが、正しくは「直前期末時点」の誤りです。

お詫びの上、訂正させていただきます。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。

プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。

Q&Aでわかる

〈判断に迷いやすい〉非上場株式評価

【第25回】

「〔第5表〕死亡退職金及び保険差益に対する法人税額等の計上」

 

税理士 柴田 健次

 

甲株式会社の代表取締役である甲が令和3年8月に死亡しました。甲の死亡に伴い、生命保険金を甲株式会社が受け取り、その一部を原資として死亡退職金及び弔慰金を支払っている場合における甲株式会社の第5表「1株当たりの純資産価額(相続税評価額)の計算明細書」の資産の部及び負債の部に計上する相続税評価額及び帳簿価額はそれぞれいくらになるのでしょうか。

なお、純資産価額の計算においては、直前期末方式(直前期末の資産及び負債の帳簿価額に基づき評価する方式)により計算するものとします。

〇保険に関する事項

直前期末の甲株式会社の保険積立金は60,000千円であり、その内訳は下記の通りです。

 代表取締役甲を被保険者とする生命保険契約の積立金:50,000千円

甲の死亡に伴い、甲株式会社に生命保険金100,000千円が支払われています。なお、甲の直前期末時点の解約返戻金は90,000千円です。

 甲以外の取締役、従業員を被保険者とする生命保険契約の積立金:10,000千円

甲の直前期末時点の解約返戻金は7,000千円です。

〇退職金及び弔慰金に関する事項

甲の死亡に伴い、死亡退職金20,000千円、弔慰金6,000千円(役員報酬月額の6ヶ月分)を相続人に支給しています。なお、甲の死因は、業務上以外の事由に基づくものです。

〇会社に関する事項

甲株式会社の直前期末における法人税の申告書別表七(一)に記載されている欠損金の翌期控除額は4,000千円です。

〔追記:2024/8/7〕
上記赤文字部分について、本稿公開時は「相続開始時点」となっていましたが、正しくは「直前期末時点」の誤りです。

お詫びの上、訂正させていただきます。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。

プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。

連載目次

Q&Aでわかる
〈判断に迷いやすい〉非上場株式の評価

連載を収録した単行本が好評発売中!!

【第1回】~【第30回】

【第31回】~

筆者紹介

柴田 健次

(しばた・けんじ)

税理士
柴田健次税理士事務所 所長
東京タックスコンサルティング 代表取締役

相続・事業承継を中心に業務を行っている。

【職歴】
2004年4月 資格の大原 簿記法律専門学校講師就任
2008年1月 税理士法人レガシィに勤務
2014年1月 柴田健次税理士事務所設立

【著書】
第4版 評価明細書ごとに理解する/非上場株式の評価実務』(清文社)
間違いやすい事例から理解する 小規模宅地等の特例適否のポイント』(清文社)
Q&Aでマスターする 事業承継税制の実務』(清文社)

  

関連書籍

法人税事例選集

公認会計士・税理士 森田政夫 共著 公認会計士・税理士 西尾宇一郎 共著

非上場株式の評価実務

東京タックスコンサルティング 税理士 柴田健次 著

重点解説 法人税申告の実務

公認会計士・税理士 鈴木基史 著

Q&A 中小企業における「株式」の実務対応

東京中小企業投資育成株式会社 公認会計士・税理士 中野威人 著

「配当還元方式」徹底活用ガイド

税理士 山本和義 著

演習法人税法

公益社団法人 全国経理教育協会 編

【電子書籍版】法人税事例選集

公認会計士・税理士 森田政夫 共著 公認会計士・税理士 西尾宇一郎 共著

土地・株式等の財産評価

税理士 香取 稔 著

中小企業の運営・承継における理論と実務 ファミリービジネスは日本を救う

大阪弁護士会・日本公認会計士協会近畿会・ファミリービジネス研究会 著

企業戦略としての役員報酬

弁護士 中西和幸 著

非公開会社における少数株主対策の実務

弁護士法人ピクト法律事務所 代表弁護士 永吉啓一郎 著

精選Q&A 相続税・贈与税全書〔財産評価編〕

税理士法人チェスター 編著 税理士 香取 稔 編著

相続・事業承継に役立つ生命保険活用術

税理士法人レディング 税理士 木下勇人 著

企業法務で知っておくべき税務上の問題点100

弁護士・税理士 米倉裕樹 著 弁護士・税理士 中村和洋 著 弁護士・税理士 平松亜矢子 著 弁護士 元氏成保 著 弁護士・税理士 下尾裕 著 弁護士・税理士 永井秀人 著

記事検索

メルマガ

メールマガジン購読をご希望の方は以下に登録してください。

#
#