谷口教授と学ぶ
税法基本判例
【第24回】
「租税回避の否認と租税法律主義」
-土地相互売買[岩瀬]事件・東京高判平成11年6月21日訟月47巻1号184頁-
大阪学院大学法学部教授
谷口 勢津夫
Ⅰ はじめに
本連載では、第1回の冒頭で述べたとおり、基本的には拙著『税法基本講義』(弘文堂。当時は第6版[2018年]、現在は第7版[2021年])における叙述の順に、税法に関する基本判例を取り上げ検討することにしているが、第20回以降ここ4回は租税回避に関する基本判例を取り上げて検討してきた。今回は、租税回避をめぐる基本的かつ重要な論点の1つであるその否認に関する明文の規定の要否(この問題については前掲拙著【72】参照)について、判例の立場を検討することにする。
上記の論点について、かつては、否認規定不要説の立場に立つ裁判例がみられた。例えば、大阪高判昭和39年9月24日訟月10巻11号1597頁は次のとおり判示していた(下線筆者。以下「昭和39年大阪高判」という)。
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