公開日: 2022/07/28 (掲載号:No.479)
文字サイズ

谷口教授と学ぶ「税法基本判例」 【第16回】「課税要件事実の認定に関する実質主義」-未経過固定資産税等相当額清算金の性質決定に関する裁判例の検討-

筆者: 谷口 勢津夫

谷口教授と学ぶ

税法基本判例

【第16回】

「課税要件事実の認定に関する実質主義」

-未経過固定資産税等相当額清算金の性質決定に関する裁判例の検討-

 

大阪学院大学法学部教授
谷口 勢津夫

 

Ⅰ はじめに

前回扱った財産評価も、税法における事実認定であることは前回(おわりに)でも述べたが、税法における事実認定には、ほかに、事実状態・事実行為の確認、法律行為・契約の解釈、公正妥当な会計処理(法税22条4項)の結果の確認も含まれる。これらにおいて認定されるべき課税要件事実とは、課税要件に包摂されるべき事実をいい、それは、課税要件を組成する法律要件要素(課税要件要素 [Steuertatbestandsmerkmal])に高められ抽象化された類型的事実(法律事実)ではなく、法律事実に該当する個々の具体的事実(税法の適用・税法的評価を受ける前のいわゆる「ナマの事実」)を意味する事実的概念である(以上については拙著『税法基本講義〔第7版〕』(弘文堂・2021年)【56】参照)。

今回は、前記の事実認定のうち契約解釈の問題を、未経過固定資産税等相当額清算金(以下本文では単に「清算金」という)の課税上の取扱いに関する裁判例を素材にして、検討することにするが、その検討に入る前に、課税要件事実の認定において妥当する実質主義ないし実質課税の原則について、次ので一般論を整理しておく(税法の解釈について妥当するものも含め実質主義一般については前掲拙著【42】、谷口教授と学ぶ「税法の基礎理論」第6回第20回等参照)。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。

プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。

谷口教授と学ぶ

税法基本判例

【第16回】

「課税要件事実の認定に関する実質主義」

-未経過固定資産税等相当額清算金の性質決定に関する裁判例の検討-

 

大阪学院大学法学部教授
谷口 勢津夫

 

Ⅰ はじめに

前回扱った財産評価も、税法における事実認定であることは前回(おわりに)でも述べたが、税法における事実認定には、ほかに、事実状態・事実行為の確認、法律行為・契約の解釈、公正妥当な会計処理(法税22条4項)の結果の確認も含まれる。これらにおいて認定されるべき課税要件事実とは、課税要件に包摂されるべき事実をいい、それは、課税要件を組成する法律要件要素(課税要件要素 [Steuertatbestandsmerkmal])に高められ抽象化された類型的事実(法律事実)ではなく、法律事実に該当する個々の具体的事実(税法の適用・税法的評価を受ける前のいわゆる「ナマの事実」)を意味する事実的概念である(以上については拙著『税法基本講義〔第7版〕』(弘文堂・2021年)【56】参照)。

今回は、前記の事実認定のうち契約解釈の問題を、未経過固定資産税等相当額清算金(以下本文では単に「清算金」という)の課税上の取扱いに関する裁判例を素材にして、検討することにするが、その検討に入る前に、課税要件事実の認定において妥当する実質主義ないし実質課税の原則について、次ので一般論を整理しておく(税法の解釈について妥当するものも含め実質主義一般については前掲拙著【42】、谷口教授と学ぶ「税法の基礎理論」第6回第20回等参照)。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。

プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。

連載目次

谷口教授と学ぶ「税法基本判例」

筆者紹介

谷口 勢津夫

(たにぐち・せつお)

大阪学院大学法学部教授

1956年高知県生まれ。京都大学法学部卒業、同大学大学院法学研究科博士後期課程単位修得退学。甲南大学法学部教授、大阪大学大学院高等司法研究科教授を経て2022年4月より現職。大阪大学名誉教授。ほかに大阪大学大学院高等司法研究科長・大阪大学法務室長、アレクサンダー・フォン・フンボルト財団奨励研究員(Forschungsstipendiat der Alexander von Humboldt-Stiftung)・ミュンヘン大学客員研究員、日本税法学会理事長、租税法学会理事、IFA(International Fiscal Association)日本支部理事、資産評価政策学会理事、司法試験考査委員、公認会計士試験試験委員、独立行政法人造幣局契約監視委員会委員・委員長、大阪府収用委員会委員・会長、大阪府行政不服審査会委員・会長、公益財団法人日本税務研究センター評議員・同「日税研究賞」選考委員、公益財団法人納税協会連合会「税に関する論文」選考委員、公益社団法人商事法務研究会「商事法務研究会賞」審査委員など(一部現職。ほか歴任)。

主要著書は『租税条約論』(清文社・1999年)、『租税回避論』(清文社・2014年)、『租税回避研究の展開と課題〔清永敬次先生謝恩論文集〕』(共著・ミネルヴァ書房・2015年)、『税法の基礎理論』(清文社・2021年)、『税法基本講義〔第7版〕』(弘文堂・2021年)、『基礎から学べる租税法〔第3版〕』(共著・弘文堂・2022年)、『税法創造論』(清文社・2022年)など。
 
 

記事検索

メルマガ

メールマガジン購読をご希望の方は以下に登録してください。

#
#