公開日: 2023/01/26 (掲載号:No.504)
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谷口教授と学ぶ「税法基本判例」 【第22回】「個別分野別不当性要件の統一的解釈」-ヤフー事件最判とユニバーサルミュージック事件最判-

筆者: 谷口 勢津夫

谷口教授と学ぶ

税法基本判例

【第22回】

「個別分野別不当性要件の統一的解釈」

-ヤフー事件最判とユニバーサルミュージック事件最判-

 

大阪学院大学法学部教授
谷口 勢津夫

 

Ⅰ はじめに

前々回は、未処理欠損金額引継規定濫用[ヤフー]事件・最判平成28年2月29日民集70巻2号242頁(以下「ヤフー事件最判」という)を「租税回避の意義と類型」に関して検討したが、今回は、組織再編成に係る行為計算否認規定(法税132条の2)の不当性要件についてヤフー事件最判が採用した判断枠組みと基本的には同じものと解される判断枠組みを、デット・プッシュ・ダウン(debt push down)借入利息損金算入否認[ユニバーサルミュージック]事件・最判令和4年4月21日民集76巻4号480頁(以下「ユニバーサルミュージック事件最判」という)が同族会社の行為計算否認規定(法税132条1項)の不当性要件について採用したものとする理解(個別分野別不当性要件の統一的解釈。拙著『税法基本講義〔第7版〕』(弘文堂・2021年)【71】参照)の下に、両最判の判断枠組みを比較検討することにする。

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税法基本判例

【第22回】

「個別分野別不当性要件の統一的解釈」

-ヤフー事件最判とユニバーサルミュージック事件最判-

 

大阪学院大学法学部教授
谷口 勢津夫

 

Ⅰ はじめに

前々回は、未処理欠損金額引継規定濫用[ヤフー]事件・最判平成28年2月29日民集70巻2号242頁(以下「ヤフー事件最判」という)を「租税回避の意義と類型」に関して検討したが、今回は、組織再編成に係る行為計算否認規定(法税132条の2)の不当性要件についてヤフー事件最判が採用した判断枠組みと基本的には同じものと解される判断枠組みを、デット・プッシュ・ダウン(debt push down)借入利息損金算入否認[ユニバーサルミュージック]事件・最判令和4年4月21日民集76巻4号480頁(以下「ユニバーサルミュージック事件最判」という)が同族会社の行為計算否認規定(法税132条1項)の不当性要件について採用したものとする理解(個別分野別不当性要件の統一的解釈。拙著『税法基本講義〔第7版〕』(弘文堂・2021年)【71】参照)の下に、両最判の判断枠組みを比較検討することにする。

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連載目次

谷口教授と学ぶ「税法基本判例」

第1回~第20回

第21回~

筆者紹介

谷口 勢津夫

(たにぐち・せつお)

大阪学院大学法学部教授

1956年高知県生まれ。京都大学法学部卒業、同大学大学院法学研究科博士後期課程単位修得退学。甲南大学法学部教授、大阪大学大学院高等司法研究科教授を経て2022年4月より現職。大阪大学名誉教授。ほかに大阪大学大学院高等司法研究科長・大阪大学法務室長、アレクサンダー・フォン・フンボルト財団奨励研究員(Forschungsstipendiat der Alexander von Humboldt-Stiftung)・ミュンヘン大学客員研究員、日本税法学会理事長、租税法学会理事、IFA(International Fiscal Association)日本支部理事、資産評価政策学会理事、司法試験考査委員、公認会計士試験試験委員、独立行政法人造幣局契約監視委員会委員・委員長、大阪府収用委員会委員・会長、大阪府行政不服審査会委員・会長、公益財団法人日本税務研究センター評議員・同「日税研究賞」選考委員、公益財団法人納税協会連合会「税に関する論文」選考委員、公益社団法人商事法務研究会「商事法務研究会賞」審査委員、近畿税理士会・近畿税務研究センター顧問など(一部現職。ほか歴任)。

主要著書は『租税条約論』(清文社・1999年)、『租税回避論』(清文社・2014年)、『租税回避研究の展開と課題〔清永敬次先生謝恩論文集〕』(共著・ミネルヴァ書房・2015年)、『税法の基礎理論』(清文社・2021年)、『税法基本講義〔第7版〕』(弘文堂・2021年)、『基礎から学べる租税法〔第3版〕』(共著・弘文堂・2022年)、『税法創造論』(清文社・2022年)、『税法基本判例Ⅰ』(清文社、2023年)など。
 
  

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